野球の醍醐味とは ストライクの判定を機械に委ねることへの違和感

[ 2019年3月14日 10:30 ]

審判のものまねをする大谷翔平投手
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 米独立リーグ、アトランティック・リーグが、今季からストライク、ボールの判定に弾道測定器「トラックマン」を導入する。メジャーでの将来的な導入に向けたテストの意味合いがあるという。この一報に、複雑な思いになった。

 数年前、NPBのある審判員に聞いたことがある。「ボール球をストライクとコールしてしまったときは、その日は同じコースの球を全てストライクにするんですか?」。返ってきた答えは「NO」だった。理由は「そうすると、一日に2度以上、ジャッジを間違えることになるから」だった。審判としてのプライドを感じた。

 公認野球規則のストライクゾーンは、こう定められている。

 「打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、膝頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間をいう。このストライクゾーンは打者が投球を打つための姿勢で決定されるべきである」

 打者の体格、打撃フォームによって異なるゾーンを、人間がジャッジするから多少のミスは起こる。ただし、それも野球の一部だと思う。私が高校生のときは指導者から「審判とケンカするな。微妙な判定でも、絶対に顔に出すな」と口酸っぱく言われた。

 ポール際のホームラン判定をリプレー検証によってジャッジすることは賛成だが、ストライクゾーンの判定まで機械が下すのは、ちょっと違和感がある。同審判は言っていた。「ストライクの判定まで機械がやってしまったら、極端な話、誰でも球審ができてしまう。私たちはあそこに立つために、間違えないようにするために訓練を積んでいるんです」。

 機械に委ねすぎると、野球の醍醐味(だいごみ)が失われるような気がするのは、私だけだろうか。ストライク、ボールの判定だけは、人間が下すルールであってほしい。(記者コラム・川島 毅洋)

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