メジャーに多い野手から投手転向の成功例 楽しみな元ベイスターズ野手の挑戦

[ 2016年3月9日 09:04 ]

09年には横浜(現DeNA)に在籍し、24本塁打したダン・ジョンソン

 最初は目を疑うが、すぐに楽しみに変わる。先日、レイズがダン・ジョンソンと投手としてマイナー契約を結んだと発表した。09年には横浜に在籍し、24本塁打した強打者。ナックル投手として、36歳にして野手から投手への転向を決意した。

 1月にはドジャースが、元ツインズのジョーダン・シェーファーとマイナー契約を結んだ。俊足堅守で知られる29歳の中堅外野手だが、球団は投手としての起用を考えているという。左投げの強肩を生かして、対左打者へのワンポイント起用。投手と外野手の二刀流も視野に入れているとか。

 日本球界では「投手から野手」のコンバートが一般的だ。現役選手でもオリックス・糸井嘉男や、ヤクルト・雄平らは投手としてドラフト上位指名後、芽が出ずに野手転向で活路を見出した。ところがメジャーでは、日本球界ではほとんど見られない「野手から投手」の成功例が意外と多い。

 特に有名なのは90年代から00年前半にかけて球界を席巻していたキラ星のようなクローザーたち。歴代2位の601セーブのトレバー・ホフマン、同8位の377セーブのジョー・ネーサン、同10位の358セーブのトロイ・パーシバルはプロ入り後に野手から投手へ転向した。

 ネーサンはまだ引退を公表していないが、現役投手の転向組も中継ぎタイプが非常に多い。ドジャースのケンリー・ジャンセン、アスレチックスのショーン・ドゥーリトル、ブルージェイズのラファエル・ソリアーノ、レッドソックスのカルロス・マーマル、ロッキーズのジェーソン・モッテ、ヤンキースのセルヒオ・サントス、ブレーブスのアレクセイ・オガンドらはみな現在クローザーか、かつて抑えを経験した投手たち。

 強肩を買われ、剛速球で勝負する。もしくは転向組ならではの独特の投球フォームで打者のタイミングを狂わせるのか。先発として長いイニングを投げ試合を組み立てるより、短いイニングで三振を奪うスタイルが向くようである。

 40~50年代にかけ、インディアンス一筋で通算207勝を挙げ殿堂入りしたボブ・レモンは例外の先発組の一人。内野手としてメジャーデビューを飾った後、4年間のブランクを経て投手として再デビュー。シーズン20勝以上を7度も飾った。

 レッドソックスでナックルボーラーで鳴らしたティム・ウェークフィールドは、ダン・ジョンソンが目指す理想像の一人だろう。内野手から投手に転向後、魔球を操りヤンキース・松井秀喜らと名勝負を何度も繰り広げた。通算200勝を挙げ、11年限りで引退した。

 日本プロ野球での野手から投手への転向組は、投手→野手→投手の遠山将志や、元オリックスの嘉勢敏弘、萩原淳、今村文昭らの名前が挙がる程度。二刀流の大谷翔平は別格として、秘めたる才能を眠らしてはいないか?

 決断には勇気がいるし、逆境からのスタートには違いない。でもだからこそ、決断が成功に結び付けば多くのファンの心が惹きつけられる。(記者コラム=後藤 茂樹)

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