原巨人 お目覚め3発!球団ワースト32イニング無得点直後

[ 2013年4月13日 06:00 ]

<巨・ヤ>6回1死一、二塁、勝ち越し3ランを放った巨人・ボウカーの後方で長野がバンザイ

セ・リーグ 巨人8-3ヤクルト

(4月12日 東京D)
 球団ワースト記録も、3発で連敗脱出。巨人は12日、ヤクルト戦の初回の攻撃が無得点に終わり、32イニング連続無得点となって球団記録を更新。しかし、2回にジョン・ボウカー外野手(29)が2ランを放ち、無得点記録をストップ。同点の6回にはボウカーが2本目となる5号3ラン、さらにホセ・ロペス内野手(29)の4号ソロで勝負を決めた。これで東京ドームでは今季7試合で14本塁打。自分の庭では負けない。

 オレンジ色の憎いヤツ。スタンドに2度、橙(だいだい)色のビッグウエーブを起こしたのはボウカーだった。

 「素晴らしい当たり、2本打ててよかったよ。今日は球場がオレンジ一色でアットホームな感じで一体感があった」

 チームの嫌な流れを最初に吹き飛ばしたのもこの男だった。この日の初回もスコアボードに「0」が入り、球団ワーストの32イニング連続無得点となった。そして、迎えた2回。無死一塁から内角速球を振り抜いた。右中間への逆転2ラン。そして6回は阿部の中前打で追いつき、なお1死一、二塁で左腕の久古から今度は右翼席へ運んだ。

 お立ち台で「ヤリマシター」と日本語で叫んだボウカーは、昨季レギュラーシーズンで打率・196、10打点、3本塁打。残留は微妙だったが、CSで打率5割、日本ハムとの日本シリーズでは2本塁打と爆発。球団は期待を込めて再契約した。年俸は6000万円から半額の3000万円となったが、「とにかくポジティブに頑張るしかないと思っていた。そして打席では選球眼を上げようと思った」と言う。

 ポジティブ。それはチームの打棒復活へのテーマでもあった。3試合無得点に終わった甲子園とは顕著な変化があった。長野から4番の阿部までの4打者がファーストストライクに対しバットを振った。阪神3連戦では、第1打席でファーストストライクに手を出した野手は計24人で4人だけ。ボウカーの2回の一発も1ボールからの最初のストライク。「相手というより自分たちの問題。バッティングの基本を見直すこと。積極性と好球必打」と橋上戦略コーチ。試合前、その指示は各打者に通達された。

 オレンジ色のユニホームを着用する「橙魂(とうこん)2013」の初戦。昨季は7勝1敗と高勝率を誇った験の良いプロジェクトに、今季最多の4万5319人が詰めかけ、来場者全員に選手と同じオレンジ色のレプリカユニホームが配布された。その中でボウカーだけでなく、チームは先発野手全員の13安打と本来の強打がよみがえった。

 原監督は試合後、阪神がこの日も甲子園で完封勝ちしたことを伝え聞くと、「やっぱり、おまえ(DeNA)もか」と冗談めかした。東京ドームでは今季7試合でまだ負け知らず。指揮官は「(本拠地に)帰ってきてすぐにいい流れを持ってきたのは大きい」。16日からは東京ドームで阪神3連戦。借りは返す。

 ≪全て3連勝以上で巻き返し≫巨人はボウカーが2回に4号2ラン。7日中日戦の8回から続いていた連続無得点は32イニングで止まったが、85年6月と昨年4月の各31イニングを1イニング上回る球団ワースト記録になった。なお、30イニング以上の無得点は55、61年の30イニング、前記2度の31イニングに次ぎ球団5度目だったが、本塁打でストップしたのは、85年に中畑の一発で31イニング止まりとして以来2度目だ。また、連続試合無得点も球団ワーストタイの3試合でストップ。過去3度の3試合連続無得点直後の5試合成績を見ると、昨季の4連勝など全て3連勝以上で巻き返しているが、今季はどうか。

続きを表示

この記事のフォト

2013年4月13日のニュース