×

こだわり旬の旅

【千葉・房総】上から見ても下から見ても圧巻の絶景! 断崖にはり付く「崖の観音」

[ 2021年11月4日 20:59 ]

岸壁に張り付くように建つ崖の観音。壮観だ
Photo By スポニチ

 「凄~い」――その姿を目にした瞬間、思わず感嘆の声を上げてしまった。JR内房線那古船形駅から徒歩約15分の「大福寺 崖の観音」。本堂は平地にあるのだが、観音堂は頭のはるか上、館山湾を見下ろす堂山(標高107・5メートル)の中腹の絶壁に、張り付くように建っている。帯状の柱状節理を背に朱色の建物。圧巻の景観だ。

 観音堂までは階段で100段以上あるが、思ったより登りやすい。お堂の舞台に立つと、館山湾鏡ヶ浦、館山市街が眼下に広がり、これまた絶景。振り向いてお堂の中の賽銭箱の奥をのぞくと、暗闇の中に高さ131センチのご本尊、十一面観世音菩薩の磨崖仏(岩を掘った仏像)が見える。

 この観世音菩薩、717年(養老元)に行基が東国行脚の折、地元漁民の海上保安と豊漁を祈願して彫刻し、大福寺を開山したといわれ、懸崖造りの観音堂ができたのは1715年(正徳5)。現存する観音堂は1925年(大正14)に再建されたというが、誕生してから300年以上。古人に思いを馳せながら、観世音菩薩に向かって最敬礼した。問い合わせは大福寺=(電)0470(27)2247。

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る