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こだわり旬の旅

【群馬・みなかみ】藍染、地ビール、そばづくし…“水つながり”で水源の町の魅力満喫

[ 2023年2月19日 19:00 ]

ストールやTシャツ、手ぬぐいなど藍染の作品に包まれる山崎杜人さん
Photo By スポニチ

 ◯◯ツーリズムという観光旅行が数ある中、群馬県みなかみ町が打ち出したのがウオーターツーリズム。「首都圏の水がめ」といわれる利根川の源流がある同町の観光協会が、豊富な水資源を観光に生かそうと考案したもので、水に関連する計11種の体験プログラムを開始。そのいくつかを体験しようと、「みなかみ18湯」で知られる上州の温泉町へ向かった。

 「綺麗にできましたね」。最初に訪ねた、たくみの里にある「草木屋 染の家」。「みなかみウォーターツーリズム」として始まったプログラムの一つ、「草木染・藍染」体験でストールの藍染(5000円)を染め上げると、指導役の店主・山崎杜人さんから、お褒めの言葉をもらった。

 制作時間は約1時間。横2メートル、縦1・1メートルの白い木綿の生地の上端を細かく折ってまとめて握り、下部を利根川源流の水を用いたバケツの藍液に少しずつ入れて上下させるなどの作業を繰り返せばOK。深い青色の“藍ブルー”に、心をわしづかみにされた。

 体験プログラムは、ほかにカヌー、里山登山、雪サウナ、森づくり、ダム見学、タイダイ染、蒸留&手仕事、おにぎりづくりなど計11種類。「遊ぶ(アクティビティー)」、「学ぶ(ワークショップ)」、「愛でる(食と健康)」の観点から生まれたもので、すべてみなかみの水が主役だ。

 月夜野ビードロパークのレストラン「ドブリーデン」での「クラフトビール飲み比べ」は、まさにそれが体感できるプログラム。施設内で夕陽の月夜野ピルスナー、水と緑のエール、蛍の里の黒ビール、ロマンの里のヴァイツェンなど5種類の地ビールを醸造しており、3種(990円)と5種(1540円)の飲み比べを用意。すべてミネラルを適度に含む谷川岳の伏流水で造られており、さわやかな飲み口。特にいちご酵母を使ったプリンセスマーチRONAはどこかいちご味がするようで、印象的だった。

 仕上げはJR上越線水上駅前の「そば処くぼ田」で、体験プランの「おすすめ蕎麦づくし」(1500円)に舌鼓。3代目店主の久保渉さんによると、そばの実の50%は利根川源流の水でできているそうで、コシのある二八のざるそばにそばチップス、そばがき、そばさしみという品揃え。そばさしみはそばがきを薄く伸ばした上に田楽味噌とゆず味噌を乗せた一品で、そば以上の風味だ。

 「支払いは町の電子地域通貨ミナカミハートペイで行うことができるし、販売する専用ボトルでホテルや町内の水くみ場で水場巡りも楽しめます」と観光協会の木村崇利さん。町挙げてのウォーターツーリズムに、名湯も嫉妬しているかも。

 ▽行かれる方へ 染の家、ドブリーデンともJR上越新幹線上毛高原駅からバス、タクシーで5~15分。車は関越道水上IC利用。染の家の基本プランは手ぬぐい(1500円)。各プログラムとも3日前まで要予約。問い合わせはみなかみ町観光協会=(電)0278(62)0401。  

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