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このゆびと~まれ

【第62回】めっぽ、めっぽ、ちっこいわいて!(とても大きいことを強調して言う表現)

[ 2021年5月3日 05:00 ]

深日小での特別授業「方言ってなに?」が開講!!!
Photo By スポニチ

  みなさん、こんにちは、深日小の岡田です。

 昨年度は深日地区に古くから伝わる「逆ことば(さかことば)」について学びました。漁師町としての文化が色濃く、漁師さんたちがお互いのコミュニケーションを深める意味で使う言葉です。逆ことばに詳しい南喜作さんに教えてもらい、子どもたちは劇にしたり、掲示物を作って道の駅に飾ってもらったりしてきました。

 そして、2年がかりでその学習の集大成を迎えることができました。

 それは自分たちのふるさとの言葉がどういったものであり、どのような価値があるのかをきちんと伝えるということです。

 そのために「逆ことば」の研究者から子どもたちに伝えてほしいという願いがありました。

 今回は1995年に出版された『岬町の歴史』で、逆ことばについて研究・執筆を担当された中井精一教授(同志社女子大学)をお招きし、子どもたちのために特別授業をしていただきました。

 授業では「方言とは何か?」と題して教えていただきました。  子どもたちは、初めて大学の先生の授業を受けてみて、とても大きな刺激を受けていました。

 地域によって、じゃんけんの言い方が違う。そして指の出し方も違う。また、身近な魚の呼び名が違うということにも驚いていました。

 そして、そういったことが「研究」になるということも。

 子どもたちの中で研究とは「白衣を着て実験するもの」というイメージがありました。身近なものや言葉の違いから文化の多様性を考えると言うことは考えてもみなかったようです。

 中井教授が逆ことばを研究されてから約25年が経過し、中井教授、南さん、子どもたちが深日で巡り会うことができました。

 子どもたちは、短い時間でしたが、研究の幅広さと奥深さを実感し「大学に行ってみたい!」と感じたようです。

 逆ことばという地域の素材が新しく生かされた瞬間でした。

 みなさんのまちにも眠っている貴重な文化の素材があるのではないでしょうか。その生かし方を子どもたちと一緒に考えてみませんか。

 このゆびと~まれ。
                  (岡田 良平)(次回掲載は10日)

 【深日(ふけ)】大阪府の最南端、泉南郡岬町にある深日は四国や淡路島への交通の要衝として繁栄した。地区人口は1971年の8059人から、2019年には3766人に減少。深日小学校の児童数も1978年は875人いたが、2019年には74人にまで減少した。大阪市内から電車で約1時間の場所にも、少子高齢化の波が押し寄せている。

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