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このゆびと~まれ

【第28回】深日小の取り組みについて

[ 2020年9月7日 05:00 ]

岬町社会福祉協議会(深日地区担当)の西田方哉さん(社会福祉士)がインタビューに答えてくれました
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 深日(ふけ)小の取り組みにはたくさんの方々がかかわってくださり成り立っています。

 福祉関係の学習を中心に、多方面でもお世話になっている岬町社会福祉協議会の西田方哉さんにお話をうかがいました。

 長根――深日小の取り組みについてどのように感じておられますか。

 西田――地域のご高齢の方との交流が増えましたね。これまでも社協と学校が連携した取り組みをしてきましたが、地域のご高齢の方の集いである「ふれあい喫茶」に子どもたちが参加してくれるようになって、本当に参加者が増えてきたんです。やはり、普段の生活でご高齢の方は外に出て行ったり、交流する機会自体も少ないんです。さらに子どもたちとふれあう機会となるともっと少なくなります。それが、「ふれあい喫茶」を通して子どもたちとふれあうことで、介護予防や認知症予防にもつながっていると考えています。

 長根――ありがとうございます。子どもたちとご高齢の方との交流が介護予防や認知症予防につながっているとは考えませんでした。では、深日小のこれまでの取り組みを見てきて、深日小の変化をどのように感じておられますか。

 西田――一番変わったなあと思うのは、先生たちの考え方ではないでしょうか。保育所が小学校内に併設されたり、地域との交流が増えたことによって、「開かれた学校」になっているなあと感じます。子どもたちの成長の場が「学校が中心」という発想から、「地域が中心」という考え方に変わったように感じます。

 長根――今まで何度も子どもたちの学習活動にご協力いただいてきましたが、そういう視点で学校を見ておられたんだなと改めて知りました。

 資料1は岬町社会福祉協議会が主催する深日地区の「ふれあい喫茶」の参加者の推移をまとめたものです。子どもたちが参加するようになってからとても参加者が増えていますよね。また、来られた方の滞在時間も増えているそうです。多くのご高齢の方が月に一度、深日小の子どもたちとの交流を楽しみにしておられると聞き、本当に誇らしくうれしい気持ちになります。

 今回はこのあたりで。このゆびと~まれ。
          (長根 わかば)(次回掲載は14日)

 【深日(ふけ)】大阪府の最南端、泉南郡岬町にある深日は四国や淡路島への交通の要衝として繁栄した。地区人口は1971年の8059人から、2019年には3766人に減少。深日小学校の児童数も1978年は875人いたが、2019年には74人にまで減少した。大阪市内から電車で約1時間の場所にも、少子高齢化の波が押し寄せている。

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