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このゆびと~まれ

【第38回】キャッチフレーズは、「みんなでいごけ(動け)!」

[ 2020年11月16日 05:00 ]

やぐら保存会のおっちゃんたちへの聞き取り学習に備えて、まとめ学習の下準備をしておきます
Photo By スポニチ

 第36回で紹介した深日(ふけ)の伝統的な祭りである地車(やぐら)祭りの学習の続編です。

 10月に複数回に分けて、深日地車保存会のおっちゃんたちに、4年生の社会科の学習のために来校していただきました。

 本来なら10月の第2日曜日と月曜日が祭りの本番なのですが、今年はコロナ禍で中止となってしまいました。その分、祭りへの気持ちや、気合いを子どもたちの学習へと向けてくださり、とても感謝しています。

 これまで深日小では様々な方に、ゲストティーチャーや聞き取り学習に参加していただきました。ただ、担当者として、また教師としてもう一歩踏み込んだ学習ができないかと思い、今回は「いっしょにつくろう」をコンセプトにしました。子どもたちの「まとめ学習」を大人も交えて作成すれば楽しいのではないかと考えました。

 そこで、見学した際に聞いたことや、自分たちで撮った写真をもとに、あらかじめ模造紙に書きたい内容や写真の位置を簡単にレイアウトしました。その状態から保存会のおっちゃんたちといっしょにつくりあげていくことにしました。

 インタビューだけでは、どうしても双方の一方通行が多くなります。子どもたちは、どうしてもメモを取ることに集中してしまい、せっかくの体験学習が、楽しさに欠けていたんです。

 だから、おっちゃんたちといっしょに制作することで、お互いが交流を通して距離を縮め、いろいろなものを発見してほしいと思って提案しました。

 結果は大成功でした。あらかじめ準備しているので、スムーズに学習ができるだけでなく、おっちゃんたちもアドバイスをどんどんしてくださいました。

 子どもたちの成長やがんばりを最も近い距離で感じてくださったのではないでしょうか。

 子どもたちも、おっちゃんたちも、教師たちもみんなが楽しくなれる授業になりました。
             それでは、今回はここまで。
                  このゆびと~まれ。
          (岡田 良平)(次回掲載は23日)

 【深日(ふけ)】大阪府の最南端、泉南郡岬町にある深日は四国や淡路島への交通の要衝として繁栄した。地区人口は1971年の8059人から、2019年には3766人に減少。深日小学校の児童数も1978年は875人いたが、2019年には74人にまで減少した。大阪市内から電車で約1時間の場所にも、少子高齢化の波が押し寄せている。

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