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このゆびと~まれ

【第52回】ここに極める

[ 2021年2月22日 05:00 ]

中村紫苑先生の「極」です。深日小の2021年度のテーマにもなります。最後のポーズも決まっております。お見事!!!!!
Photo By スポニチ

 深日(ふけ)小6年生には3学期にすてきな行事があります。みなさん何だかわかりますか?

 それは岬町にゆかりのある平安時代の書家・橘逸勢(たちばなのはやなり)にちなみ、岬ライオンズクラブさんの協力を得て、書道教室を開催しています。

 講師は多くの個展や書道パフォーマンスで活躍されている中村紫苑先生です。

 3年前から紫苑先生をお招きして、子どもたちの目の前で大きな紙に書道パフォーマンスをしていただいています。

 子どもたちも普段の「習字」ではなく、「書道」として各自が半紙に自由な作風で書きました。

 子どもたちの作品は卒業制作の一つにもなり、卒業式に飾って、保護者や来賓のみなさんにも見ていただいています。

 紫苑先生に書いていただくのは漢字一字なのですが、毎年、6年生が代表して、その年の漢字を決めています。

 例えば昨年は「努」でした。最終投票で「夢」と「努」の字が残ったのですが、「夢を叶えるためには努力しかない。だから、私たちも在校生も努力が必要だ」と言う理由で、「努」になりました。

 こうして決まった漢字は、卒業式、入学式、運動会など様々な学校行事の度に掲示され、私たちに勇気を与えてくれています。

 今年の一字はと言いますと「極」に決まりました。

 6人の6年生いわく「とんがって、極めることが大切だと思う」からだそうです。

 国語辞典や漢字辞典を調べながら意味を探り、自分たちの想いを重ね、一字に想いを託して卒業していきます。

 子どもたちの想いを紫苑先生に伝えると、いつも感心され、筆に魂を込めて書いていただいています。

 そうした姿を子どもたちも見て、1メートル四方の大きな紙に全身を使って書きました。

 来年度、卒業生も在校生も先生も各自がそれぞれの目標を極める気持ちを大切にしたいです。

 今回はこのあたりで。このゆびと~まれ。

              (岡田 良平)(次回掲載は3月1日)

 【深日(ふけ)】大阪府の最南端、泉南郡岬町にある深日は四国や淡路島への交通の要衝として繁栄した。地区人口は1971年の8059人から、2019年には3766人に減少。深日小学校の児童数も1978年は875人いたが、2019年には74人にまで減少した。大阪市内から電車で約1時間の場所にも、少子高齢化の波が押し寄せている。

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