×

このゆびと~まれ

【第15回】食の安全を地域の人と考える①

[ 2020年6月8日 05:00 ]

みんなでどこの構図がいいか検討中。6人しかいないからこそできることを探して、創意工夫しながら勉強しています。3・2・1…、本番スタート。米作りの魅力を伝えてね
Photo By スポニチ

 これまで岬町の自然環境の豊かさや、地域住民の方々とのつながりをもとに、1年生から4年生までの各学年の取り組みを紹介しました。

 今回は5年生です。2019年度の5年生は6人しかいませんでした。では、どうやって児童たちの学習をより深め、充実させるかが大きな課題でした。

 入学当初から教師も児童たちも試行錯誤を繰り返し考えてきました。

 5年生では米作りや漁業の学習をします。深日(ふけ)小は徒歩で行ける場所に、田んぼも漁港もあります。

 地域の方のご協力で米作りを体験でき、深日漁協では調べ学習も進められます。本当に恵まれた環境です。さらに児童の少なさを生かして創意工夫しました。

 2019年度はテレビ局の中継をイメージして、自分たちで番組作りに挑戦しました。リポーター、指示を用紙で伝えるカンペ係、ディレクター、カメラ担当など複数の役を6人でこなしました。

 最初はなかなかうまくいきません。時間もかかりました。しかし、慣れてくると、カメラ映りの構図についての意見や、カメラ目線の指示が出てきました。児童たちの行動は自然に盛り上がり、テキパキと収録できました。

 一度、こうした学習をマスターすると児童たちもより興味を持ちます。漁業の学習では、自分たちで役割を決めて深日漁港へインタビューに行きました。

 米作りの大変さを経験し、漁港でも多くの話を聞くことができました。直接、見て、聞いて、触れることで新しいことを知る感動や、生産者への尊敬と感謝の気持ちも人一倍強くなります。

 農業も漁業も体験学習でき、地域の方々と一緒になって児童の成長を見守ることのできる深日小ってすごいでしょ。
 では、このあたりで。このゆびと~まれ。

          (岡田良平)(次回掲載は15日)
 【深日(ふけ)】大阪府の最南端、泉南郡岬町にある深日は四国や淡路島への交通の要衝として繁栄した。地区人口は1971年の8059人から、2019年には3766人に減少。深日小学校の児童数も1978年は875人いたが、2019年には74人にまで減少した。大阪市内から電車で約1時間の場所にも、少子高齢化の波が押し寄せている。

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る