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このゆびと~まれ

【第109回】このゆびと~まれ

[ 2022年3月28日 05:00 ]

地元の陶芸家の方を招いて陶芸教室をしていました(2019年撮影)。岬町はいい土が出るんですよ
Photo By スポニチ

 みなさん、こんにちは。深日小の長根です。

 今回でみなさんに深日小の取り組みをご報告するのも最後となりました。今回は私の思いと感想を書かせていただきたいと思います。

 これまでの深日小の取り組みでは「学校と地域の連携」、「地域の魅力を再発見する」ということをテーマとしてきました。

 そのために地域の方々をはじめとして、関係各所、企業、大学などたくさんの方々にお世話になってきました。

 私たち教育関係者は常日頃から「地域連携」という言葉をよく使うのですが、それを具体的にわかりやすく正確に伝えられるかとなると難しいでしょう。

 私自身は深日小での取り組みを通して「地域連携とは何か?」と問われると、「人と人のつながり」だと言えるのかなと感じています。

 「あの人なら」「あの人のために」という個々の信頼関係の量と濃度をどれだけ大切にできるかということだと思いました。

 それは今ある関係だけではなく「昔の思い出」ともつながっています。

 記憶に残っている先生、友だち、学校やまちの情景といった当時の思い出がつないでくれていました。

 だから地域の魅力を再発見することに多くの人たちが共感し助けてくれたのだと思います。

 「このゆびと~まれ」というタイトルは私が考えたのですが、振り返ってみると、そういう思いがあったのは私だけじゃありませんでした。

 深日小の子どもたちや保護者のみなさん、コメ作りでお世話になった北濱さん、梅干し・シロップ作りでお世話になった河野さん、和歌山大学・教育学部長の本山貢先生、深日漁協の南泰治組合長などなど。

 たくさんの人たちが子どもたちと関わり、地域を活性したいと思って指を出してくれました。

 そしてみんなで指を握り合いました。

 最後に読者の皆様をはじめ、深日小の子どもたちや岬町の方々にはこの場をお借りして感謝申し上げます。

 また、こうした発信の場をご提案くださったスポーツニッポン新聞社及び大阪本社編集局・幡篤志局次長には大変お世話になりました。

 今回はここまで。このゆびと~まれ。

             (長根 わかば)(次回最終回 4月4日)

 【深日(ふけ)】大阪府の最南端、泉南郡岬町にある深日は四国や淡路島への交通の要衝として繁栄した。地区人口は1971年の8059人から、2019年には3766人に減少。深日小学校の児童数も1978年は875人いたが、2019年には74人にまで減少した。大阪市内から電車で約1時間の場所にも、少子高齢化の波が押し寄せている。

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