×

このゆびと~まれ

【第93回】海洋教育の充実と野外オンライン中継授業のノウハウ

[ 2021年12月6日 05:00 ]

クイズに盛り上がる子どもたち
Photo By スポニチ

 みなさん、こんにちは。深日小の岡田です。

 タッチングプールを終えて、岬町の漁師さんが残した古い言い伝えをクイズ形式で紹介しました。

 実際には6問くらいあり模造紙にまとめたのですが、時間の制限もあり2問だけ大学生に出題し、答えてもらいました。

 例えば「漁師さんはお弁当に入っている梅干しの種を海には捨てません。なぜでしょうか?」

 古い言い伝えでは「種は沈んだままで岸に上がってこないから縁起が悪い」と考えられていたそうです。

 海洋教育は海の生き物を身近に感じるだけでなく、こうした漁師文化を伝承していくことも大きな要素だと感じています。

 事前に子どもたちの原稿を大学生に渡していたのですが、しっかり演じていただきながら回答してもらいました。

 その時の子どもたちの充実した顔は、きっと彼らが教員になった時に目にしてもらえるのではないでしょうか。

 さて、この場を借りてオンライン授業の課題と成果を岬町の情報通信技術(ICT)支援員の方にも総括していただきました。

 というのも、やはり技術的なノウハウについてはまだまだ学校現場で始まったばかりです。後学のために専門家の意見をお知らせしたいと思います。

 (1)校外学習特有の臨場感、盛り上がり、興奮といった現場のライブ感を、WEB通話経由で相手方へしっかりと伝えられたのではないかと思います。

 (2)限られた設備の中でも比較的快適に今回の取り組みは進行したと感じました。特にモバイルルータ+WEB通話ではもっと通信料を消費してしまうかと予想していたので、これについては良い誤算でした。

 (3)今回のような屋外開催の場合は音響設備を見直した方が良いかもしれません。例えば、Bluetooth等で接続できる屋外用ワイヤレススピーカーなどを用意すると改善するかもしれません。

 (4)カメラも同様に、有線タイプのカメラであのライブ感を伝えるのは少々難易度が高そうです。撮影しながら動き回る用のタブレットやChromebookを用意したり、家庭用ビデオカメラ等を利用するのも良いかもしれません。

 (5)通信料やWEB通話のキャパシティに余裕があれば、定点カメラとして校外学習の風景をひたすら流し続けるChromebook等を数台配置してみるのも面白いかもしれません。

 (6)機器やケーブルの十分な水濡れ対策が必要です。今回の開催では「課題」と言い切るほどの大きな問題やトラブルは出なかったかな、というのが正直な感想です。児童たちの楽しく学ぶ姿はたいへん良いものでした。今回の取り組みが、次回への足がかりとなり、さらに色々なイベントや授業への利活用につなげていけるのではないでしょうか。

 以上のようなご意見をいただきました。

 では、今回はここまで。このゆびと~まれ。

              (岡田 良平)(次回掲載は12月13日)

 【深日(ふけ)】大阪府の最南端、泉南郡岬町にある深日は四国や淡路島への交通の要衝として繁栄した。地区人口は1971年の8059人から、2019年には3766人に減少。深日小学校の児童数も1978年は875人いたが、2019年には74人にまで減少した。大阪市内から電車で約1時間の場所にも、少子高齢化の波が押し寄せている。

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る