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このゆびと~まれ

【第57回】三寒四温

[ 2021年3月29日 05:00 ]

梅を観察して、詩や俳句や短歌を作っています
Photo By スポニチ

 先週、1年生のお花見会をご紹介しましたが、その際の上級生たちの反応は、「先生、1年生、お花見してお菓子食べてたらしいやん。ええなあ。」というものでした。

 というわけで、そう思うのは子どもたちだけではなく、先生たちも同じようで…

 さっそく、4年生と6年生もお菓子を持ってお花見会をしようと画策したのですが、残念ながら寒波がやってきてとてもお花見会どころではありませんでした。

 つい2・3日前はぽかぽか陽気だったのに…
 しかし、ぽかぽか陽気を待っていたら満開の梅の花が散ってしまいます。そこで、4年生と6年生はお花見会を断念して、春の歌会をすることにしました。

 国語の時間に合同で梅の花を見ながら詩や俳句や短歌を作ってみようと思いました。

 しっかり防寒対策をして、ホワイトボードとペンを手にいざ出発!

 教室を出る前は、寒いだのお菓子が無いだのと言っていたのに、歩き出したらみんな笑顔です。

 梅林にに着いたときの子どもたちの表情はみなさんにも見てもらいたかったなあ。

 満開の花を見て、「やってみよう」と声をかけただけで、子どもたちの言葉のつぼみが、そこら中からいっせいにポンポンポン!と花咲きだすんです。

 「先生できたぁ!」

 「こんなんも書けたで」

 「また書いていい?」

 これまで子どもたちに詩や俳句や短歌の指導をしてきましたが、苦手な子にとってはなかなか言葉が出てこないんですよね。
 ところが、見て、触って、香りを体感することで、それを文字にする楽しさがあふれ出してきました。

 そうそう、やっぱり小学生の詩や俳句や短歌はこうじゃないと!

 学校から徒歩5分で、国語の授業がこんなに充実できるなんて本当にありがたいことです。

 そして、子どもたちが大切なことに気付きました。

 「あっ!私らが植えた梅の木にも花が咲いている!」

 寒かったことは忘れて熱中して学習する子どもたち。

 春はもうすぐそこです。


 今回はここまで。このゆびと~まれ。

               (岡田 良平)(次回掲載は4月5日)

 【深日(ふけ)】大阪府の最南端、泉南郡岬町にある深日は四国や淡路島への交通の要衝として繁栄した。地区人口は1971年の8059人から、2019年には3766人に減少。深日小学校の児童数も1978年は875人いたが、2019年には74人にまで減少した。大阪市内から電車で約1時間の場所にも、少子高齢化の波が押し寄せている。

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