G1周年記念競走展望

【G1江戸川大賞】大池&後藤 “東都新エース”狙う地元コンビ

[ 2015年6月12日 05:30 ]

G1「江戸川大賞」へ気合十分、東京支部101期コンビの大池佑来(左)と後藤翔之
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 江戸川ボートレース開設60周年記念G1「江戸川大賞」は、あす13日に開幕する。本紙の注目は地元・東京支部の101期コンビ、大池佑来(28)と後藤翔之(29)だ。4月に当地で優勝を飾った大池は、その後の他地区の記念戦線でも好成績を残してきた。地の利がある今回はさらなる活躍が期待される。後藤も直前の大村でリズムアップ。優勝争いに加わってきても不思議はない。

 ≪“純地元”レースに意気込む大池≫
 大池にとって、江戸川は地元3場の中でも最も多く走ってきた水面。現在デビュー8年目、ようやく“純地元”の周年記念にたどり着いた。「やっと出られるな…という思いです」。当地G1初参戦は11年の関東地区選で済ませているが、今回は当地最大のレース。この斡旋を長年、心待ちにしてきた。

 それだけに今大会に懸ける意気込みは別格だ。「江戸川は何度も走らせてもらってきたので、アドバンテージがあると思います。僕は本当に江戸川が得意なのか、腕試しをしたい。準優には乗らなきゃいけないくらいの気持ちで臨みます」。穏やかに語りながらも、瞳の奥ではメラメラと闘志を燃やしていた。

 やる気にあふれている裏には当然、上位争いできる手応えがある。これまでG1に出場したのは9回。優出経験は12年新鋭王座決定戦の1回しかない。だが、今年に入ってから参戦したG1 3戦で全て予選突破。優勝戦まで後一歩という惜しいシリーズもあった。「(4月の)とこなめ周年は良いエンジンを引けたのもあるが、微調整がうまくいきました。自分の実力はまだまだ足りないが、しっかりした足に仕上げられれば戦えると感じました。テクニックで全く勝負にならないとは思いません」。全国の強豪たちと互角に渡り合えたことで、大池の中に自信が芽生えたのだ。

 さらに今大会は良きライバルもいる。同期で同支部の後藤翔之だ。「2人で一緒に活躍できたら注目されるだろうし、そうなりたい」。群馬の毒島誠、埼玉の桐生順平のような確固たる若手の旗頭が、まだ東京支部からは誕生していない。東都の新時代を担うため、真の江戸川巧者と認められるため、大池の挑戦がスタートする。

 ≪復調気配の後藤 巻き返しなるか≫
 同期が成長を遂げる一方で、後藤はもがいている。今年になってから参戦したG1 4節で全て予選落ち。特に出力低減エンジンに苦戦を強いられている。「調整が分からない。1回でも良いエンジンを引けたら方向性が分かるかもしれないが、まだ手探り状態。やはり地元G1だと気合は入るが、今は“地元だから頑張ります”とか言える状況じゃない。気持ちが乗るきっかけが欲しい」。調整の迷路に迷い込み、自信を失いかけている状態だった。

 だが、直前の大村で兆しが見えた。一般戦とはいえ、出力低減型で初めての優出。低勝率エンジンとのコンビだっただけに、機力が中堅の域を脱することはなかったが、それでも結果が出たことは大きな収穫だ。これが気持ちの乗る契機になる可能性はある。

 江戸川では約2年前に優勝。「得意なイメージはない」と語ったが、当地通算勝率も同2連対率も大池と大差ない数字をマークしている。地元の利はあるとみていいだろう。15年後半戦に向け、今シリーズで勢いに乗りたいところだ。

 ≪当地実績抜群の浜野谷≫
 “東都のエース”浜野谷は平和島、多摩川と同様、当地で無類の強さを発揮する。G1優勝2回を含めて通算13V。近況は前回大会(14年6月)、優勝したG2MB大賞を含めて6連続優出中だ。低出力エンジンは2回しか経験していないものの、5月のSGオールスター(大村)ではしっかり対応して予選クリア。「思ったよりスタートが届かないので突っ込む勇気を」と気合の踏み込みで優勝戦線をリードする。

 ≪“番人”石渡 譲れぬ主役の座≫
 エンジンの仕様が替わっても、当地Vから遠ざかっていても、江戸川の番人はこの男以外に考えられない。石渡鉄兵だ。

 当地参戦は今年の正月シリーズ以来。当然、出力低減エンジンに切り替わってから出場するのは初めてだ。それでも、こう息巻く。「江戸川で知らないことがあるのは許せない。出力低減でも、どう調整したら出るのか分からないと気が済まない。大村と住之江で勉強して江戸川にピークを持っていく」。この宣言通り、大村では水準以上の舟足を引き出し、住之江では優勝を飾った。調子は確実に上向いている。

 13年4月を最後に江戸川では優勝できていないが、G1 2勝を含む通算15Vと誰よりも結果を出してきた水面。最も思い入れの強い舞台で、主役の座は譲れない。

 ≪地元SGへ弾みをつけたい市川≫
 最近の水面相性ならトップは市川哲也だろう。昨年6月の59周年記念で優出4着。続く10月のMB大賞では、石渡のイン戦を破って優勝の栄冠をつかみ取った。「結果はたまたま。エンジンが出ていたこともないし、これといった江戸川の調整があるわけでもない。ただ、相性は良い」。確固たる理由はなくても、勝負の世界において水が合うことは重要。今節も目を離すことはできない。

 その自覚も当然ある。「周年とG2のことがあるから、ある程度は期待されるだろうし、それには応えたい」と意気込み十分だ。次節は15年ぶりに参戦する地元SG。得意水面で結果を出し、宮島グランドチャンピオンへ弾みをつける。

 ≪難水面攻略に定評ある横沢≫
 横沢剛治と言えば荒れた水面を果敢に乗りこなす波乗り巧者で有名。当地通算勝率7・73は出場選手でトップの数字。初優出、初優勝共にここ江戸川だ。そして12年10月のモーターボート大賞ではG2初制覇を達成。“江戸川巧者”という肩書を不動のモノとした。

 「今回は未知の世界ですね。今までは荒れた方が良かったけれど出力低減型エンジンでどうなるか…。どこまで体感がズレるか分からない」と、新型エンジンに対する不安を抱きながらも「調整はこれまでと同じでスリットの足を重視。一撃のレースを狙います」と、変わらぬレーススタイルを宣言。相性抜群の地で狙うはG1初制覇だ。

 ≪昨年のリベンジ期す中田≫
 13年9月の桐生新鋭王座でG1初優出を果たすなど成長著しい中田竜太。昨年大会ではG1 2回目の優出、しかも優勝戦1枠を手にしながら悔しい2着に敗れた。「また次に(G1優勝戦の)チャンスが巡ってくると思っていたけど、なかなか来なかった」とG13回目の優出は今年2月の地元戸田関東地区選まで待たなければならなかった。しかし、優勝戦はまたしても2着惜敗。昨年の当地G1が「しっかり走らないといけない、とあらためて認識させてくれたシリーズ」と振り返る。「江戸川は正直、得意ではない。それでも呼んでもらったのだから頑張りたい」と今度こそ、の強い気持ちで乗り込む。

 ≪一昨年の覇者 岡村≫
 一昨年の58周年記念を制した岡村仁(31=大阪)。難水面の江戸川に対し、「風や波を読んでどれくらい流されるのかなどを考えながらターンしている。とにかく江戸川の波を楽しみたい」とネガティブな要素を前向きにとらえる。3号艇からつかんだG1初優出Vは超ポジティブ思考のなせる業だ。このタイトルをきっかけとして14年クラシック(尼崎)などSGの扉をこじ開け、「おいしい思いをさせてもらった」。昨年は自身2回目のF2などで波に乗れなかったが、「もう一度勝って再びおいしい思いをさせてもらいたい。2回獲ったら、こっちに引っ越そうかな(笑い)」。江戸川からSG戦線復帰を見据える。

 ≪無欲の姿勢貫く中野≫
 3月の多摩川に続く、地元周年V2に挑む中野次郎は初日ドリーム戦に3号艇で登場する。「江戸川は難しい水面なので、無事故完走を最初に考えないと結果は出ない。それに気合を入れて失敗してきた」と無欲の姿勢をアピールした。近況は「出力低減に苦手意識がある」と語たったように、エンジンの仕様変更でリズムを崩している。今節も新型エンジン克服がカギとなる。

 ≪強気姿勢で軌道修正狙う菊地≫
 13年7月、58周年以来の当地出場となる菊地孝平だが「何があるか分からないレース場。正直、行きたい場所ではないが、その場になったらスイッチが入るはず。負けたくないしね」と、強気な姿勢は変わらない。4月のとこなめ周年、5月の地元GWシリーズと2場所連続でワースト級の気配。オールスターでは2連勝のスタートを切るも3走目で痛恨のF。難関水面で軌道修正を狙う。

 ≪全場制覇へリーチをかけた赤岩≫
 全24場制覇へ当地を残すのみとなった赤岩。当地前回のG2MB大賞(14年10月)では、エンジンを超抜に仕上げて予選をトップで通過。偉業達成が現実味を帯びたが、準優で痛恨の勇み足に散った。今回はリベンジも兼ねて参戦。常日頃から「エンジンは出すもの」と語る妥協なき整備巧者の魂の再チャレンジに注目だ。

 【エンジン分析】
 4月15日から「出力低減型」が導入された。どの機も3~4節しか使用されていない割に、パワーの優劣が分かりやすい印象だ。2連対率トップの「55」は使用開始節で谷野錬志がV。前節でも北野輝季が上々のパワーで優出3着と活躍は必至。ただし、その「55」を含めてエース機がどれかの判断はまだ早い。それだけ上位の実績を誇る機は高いレベルで評価が接近しているということ。「32」「35」「49」「58」「66」とそれぞれ力強い動きを披露しており注目を集めそうだ。

 【水面攻略のカギ】
 河川をそのままレース場として利用している。潮の干満差があるのも特徴のひとつ。風との兼ね合いで、全国でも屈指の乗りづらい水面として知られる。今シリーズは基本的に上げ潮となるだけに、季節通りの南風(ホーム追い風)なら極端に波立つコンディションにはならない。それでも、強めの南風なら当地水面に苦手意識のある選手は乗りこなせない可能性が高い。上げ潮&南風のパターンなら1Mで握ると流れやすく、差しハンドルを入れる選手が有利となるのがセオリーだ。

 【初日ドリーム展望】
 1号艇は“江戸川テッペイ”の異名を取る石渡鉄兵。まくらせない差させないのターンで開幕戦を白星で飾るとみた。中野次郎も江戸川記念の優出常連者。昨年の59周年ではFに散ったが、MB大賞では優勝戦4着。攻め、まくり差しの自在ハンドルで石渡に迫る。

 5枠には抜群のスタート力を誇る山田哲也。一気に仕掛け内4艇を沈めると波乱。大外枠から展開を待つ中島孝平にもチャンスが訪れる。昨年のMVP・菊地孝平、全場制覇リーチの赤岩善生といった実力派も怖い。

 【2日目ドリーム展望】
 1枠で登場は浜野谷憲吾。近況勢いを欠いている印象もあるが、数字を見ると強さは健在で目下、当地6連続優出中。華麗なターンで1M突破に期待する。攻撃力満点の熊谷直樹が1Mどう出るのか。攻めのスタイルを貫き握って出ると1M混戦。池田浩二の2コース差しが見せ場をつくる。道中戦を得意としコース問わない秋山直之はコメントに“乗りやすい”といったキーワードが含まれていたら買いだ。市川哲也は得意のS攻勢で強行突破を狙う。差し鋭い辻栄蔵が展開を待つ。

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