G1周年記念競走展望

【徳山G1 徳山クラウン争奪戦】白井&寺田不在も…森野が盛り上げる!

[ 2018年11月1日 05:30 ]

森野正弘
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 ボートレース徳山の開設65周年記念競走G1「徳山クラウン争奪戦」が2日から幕を上げる。年末に向けた賞金レースも佳境を迎え、年明けに開催された前回大会以上の激しいレースが展開されそう。地元勢は6月のSGグラチャンを沸かせた白井英治、寺田祥がF休みで欠場。“飛車、角”不在となるが案ずることなかれ。長州軍団は一致団結してクラウン死守を誓う。地元G1に向けて、森野正弘に意気込みを聞いた。

 森野にとって2年ぶりの地元徳山周年記念。表情からもフツフツと沸き上がる熱い気持ちが見え隠れする。

 「周南生まれの自分にとって、徳山周年はアピールする絶好の機会。以前は成績が落ちるから記念をマイナスに捉えた時もありました。でも単純に技術で劣っているのに、気持ちで負けていたら記念を走る選手には絶対勝てない。今はとにかく気持ちでは負けないように。周りが引くくらいの強い気持ちでレースに臨みたいです」

 デビューから8年。堅実なさばきでA級常連となって久しい。一般戦なら常にV候補。プロのレーサーとして食べていく分には何ひとつ不自由はない。ただ、心の奥底にどこかモヤモヤするものを感じていた。「これでいいのか」と。その気持ちと向き合う契機となったのが今年6月に徳山で開催されたSGグラチャンだった。

 「白井英治さんの走りをみて、仕事に対する姿勢を考えさせられました。今の自分が変に落ち着いて、現状に満足しているんじゃないかと。あの熱い走りを見て“きっとこのままダラダラ走り続けたら、引退する時に後悔するだろうな”って。遅いかもしれないけど、今は倒れるなら前向きに倒れたい」

 攻める姿勢は着実に成績にも現れている。今期の40勝は自己最多と並ぶ本数。前期と比較すると5%も1着率が上昇した。

 「リスクはあるけど、今はレースで一つでも着順を上げるための工夫をするように心がけてます。もちろん失敗もあるけど、良くも悪くも何かしらの反応があるから、仕事がすごく楽しい。今までになかった感覚です」

 今大会は白井英治、寺田祥という地元の看板レーサーが不在のシリーズとなる。それでも、勝負ごとにおいてピンチは一転してチャンスにもなり得る。

 「自分以上に先輩たちが思っていると思うけど、2人がいないから地元勢は物足りないよねって言われるのは寂しいし、悔しい。山口にはこういう選手がいるっていうのをアピールしたい。2人がいない分は、自分たちが盛り上げます」

 記念の猛者が相手でも恐れることはない。成り上がる時は今だ。

◆森野 正弘(もりの・まさひろ)1985年(昭60)1月28日山口県周南市出身の33歳。106期生として10年5月に徳山でデビュー。14年1月徳山新鋭リーグ戦で初V。通算44優出4V。1メートル67、54キロ。血液型A。

◎総展望

 地元8人衆にとって何とも手ごわい遠征陣だ。その筆頭が今年2月のG1徳山64周年を制した笠原。好調キープのまま参戦する。10月のG1戸田周年も制して、さらに直前の尼崎一般戦は圧倒的な強さで優勝。グランプリをベスト6で出場すべく気合パンパンだ。

 徳山と言えば茅原の存在もまぶしい。今年のグラチャンで、優出2着の活躍を見せた。徳山では6年前のヤングダービーV、昨年の中国地区選手権で優勝。大得意だ。ただ今年はまだ記念優勝がない。茅原には物足りないはず。2年連続4回目のグランプリ出場へひと踏ん張り。ドル箱の徳山プールで結果を残して弾みをつけたい。

 徳山相性と言えば井口も負けていない。14年の徳山61周年覇者であり、昨年のG2徳山MB大賞でも優勝している。クラウンが奪還を狙ってくる。また徳山周年の歴代覇者の池田、丸岡も腕をぶす。10月のG1児島周年を制した山崎、今年のグラチャンで優出3着に入った桐生など、V候補はいくらでも挙がる。

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