G1周年記念競走展望

【若松G1全日本覇者決定戦】7年ぶり制覇へ闘志燃やす地元勢

[ 2015年6月5日 05:30 ]

2日目ドリーム1号艇からVを狙う篠崎元志
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 ボートレース若松に全国屈指の強豪レーサーが集結―。「G1全日本覇者決定戦・開設63周年記念競走」はあす6日に開幕する。初日、2日目にWドリーム戦が組まれた。言うなれば、それほど豪華メンバーが集結したということ。中でも7年ぶりの若松周年タイトル奪還を狙う地元勢に気合が入っている。エースは篠崎元。初日からガンガンと飛ばす。

◆先行予想
 実力接近メンバーが顔をそろえてV争いは激戦必至の様相。若松記念は56周年記念で瓜生正義が勝って以来、福岡支部からのV報告はない。地元の牙城を守る先駆者となるのが篠崎元だ。2日目のドリーム第2弾は1号艇に指名された。当地戦は一昨年のオーシャンカップ【2】着、九州地区ダービー【2】、タイトル戦【2】着。昨年8月のタイトル戦Vで存在感を知らしめた。直前の大村オールスターは予選敗退と不覚は取ったが、巻き返しを図るためにも熟知した若松水面の絶好枠を生かして、鋭いインスパートを決め手に白星発進のチャンス到来。狙いは“優勝の二文字”しかあるまい。

 2月の唐津で九州地区ダービーを制してG1ウイナーとなった川上。当地戦は常にVを意識して妥協せずに機力仕上げも素早い。今年2度目のG1戴冠を狙うには相性いいホーム若松は絶好の舞台だ。豊富なペラ知識は何とも強みで勝ちにこだわって、鬼神の走りを披露してくれよう。

 当地記念は51、55周年で2Vの平田。僅かな間げきを突く鋭く突き抜ける攻守の確かさは一目置かれる。悲願達成は地元で飾る・・・明快なレースで捲土(けんど)重来は西山と池永だ。意表をつくイン逃げにまくり差しで7点レーサーの地位を築いた西山は師匠でもある川上のG1戴冠はやる気に拍車がかかった。地元若松ならコース取りも積極的に好勝負は必至。スピード攻勢に自信が加わった池永は若松を含めて今年3Vと勢いを増して来た。最近6節の若松は全て予選を突破して5優出1Vの篠崎仁。躍動感にあふれるハンドルさばきに死角は見当たらぬ。

 他の九州勢も気配は入る。積極的なコース取りから豪快ターンで底力を見せつける深川。実績機を味方に石橋、中尾、古賀、下條、松田、塩田らはスピード豊かなスリット勝負が持ち味。リズムに乗れば一気に突っ走るタイプだ。

◆初日ドリーム展望
 直前の大村オールスター3VでSG8冠を飾り、賞金ランキングでもトップに躍進は山崎。97年のからつダービーSG初優勝、芦屋、福岡周年記念でもV実績と九州路は絶好の方角だ。今年も2月の住之江記念、4月の常滑記念でG1、2度目の優勝と勢い加速。シャープなコーナーさばきはV戦線の一角を占める主要キャストに間違いない。

 王者再び―。現役最多のビッグV12がさんぜんと輝く松井。若松水面は第4回オーシャンカップ【3】、第9回【2】、第11回優勝、一昨年の第18回で優勝と抜群のSG戦歴を残す。通算のG1優勝も51回と艇界のトップを君臨。昨今の話題は若手の華々しい活躍に集中する中、百戦錬磨の支配力には定評がある。今年は5月の住之江タイトル戦で10戦オール3連対Vと健在を証明。初日の12Rドリーム第1弾は貫禄の1号艇シードで主役の座にどっかり。好枠優位にイン勝負は折り紙付き。今シリーズに弾みを付ける一戦として快速劇で好発進だ。

 妥協せずに卓越した整備力とペラ修正で機力を素早く仕上げるレジェンド・今村。1月の大村タイトル戦を完全V、4月の児島マスターズチャンピオンでも圧巻の8戦完全V、続く住之江タイトル戦で通算131V(SG7、G1・47)は“無事これ名馬”として名人技は衰え知らず。一気呵成(かせい)に襲いかかってくるニュージェネレーションとの戦いでも極めて明快なスロー戦法で死角はない。

 1月の大村63周年記念で久々にG1制覇の朗報が届いた原田。続く唐津戦は10戦9勝で連続優勝を飾った。当地モーターは2月に乗艇経験を済ましており準優進出。甦ったスピード旋回でベスト6入りは必至だろう。

 3月の徳山MB大賞で電撃ショットがさく裂してG1優勝の湯川。4月の浜名湖特別タイトル戦で2Vと強気のレース運びで優出圏へ名乗り。

◆2日目ドリーム展望
 ボート界の次世代を担うであろう“ニュージェネレーション旋風”が吹き荒れている。その先頭グループでけん引している毒島。篠崎兄弟、桐生、茅原悠紀、吉田拡、平本、岡崎恭裕、峰竜太、新田雄史らと切磋琢磨(せっさたくま)して今やボート界の話題を独占。毒島自身は13年の丸亀メモリアルで頂点を極めて大輪の花を咲かせている。若松では13年の一般競走で優勝、一昨年のオーシャンCは優出【3】、昨年のメモリアルは準優(3)着。今年は5月の丸亀周年でG1優勝と勢いはさらに加速している。剛毅(ごうき)果断なスリット強襲の旋回力で至高の戦いへ秘策は万全だ。

 今年3月の尼崎クラシックで大願成就のSG初戴冠は桐生。ここ一番の勝負度胸にも定評があり、前走地の大村オールスターでも優出【6】と強攻戦は頼もしい限り。昨年は地元戸田でG1ヤングダービーVと的確なS攻勢に道中のスピード戦にも威力を増して来た。

 平本も同期生の新田、篠崎元の活躍に旺盛なライバル意識を燃やす。昨年末の平和島グランプリシリーズで待望のSG優勝。今年は2月の浜名湖東海地区ダービー、3月の常滑周年記念で今年はG1、2勝目。12年の芦屋記念でG1初Vと九州路は絶好の方角だ。コース不問の走法は若松水面にピタリとマッチしている。破壊力を秘める破竹の勢いでVロードを一気に突破する。

 ミクロS奮発!は吉田拡。昨年は4月の大村でG1奪取の勢いで丸亀オーシャンCで一気にSGレーサーの仲間入り。全速スリットとシャープな旋回力が持ち味。コース不問のオールラウンド戦で活路を見いだす。近況リズムも上々で切れ鋭い迫力SでVへ至近。

◆人気高まる女子レーサー 注目は地元・日高
 売り上げ増で人気集中の女子レース界。その中でも上位を形成する日高、寺田、海野、平山、鎌倉、竹井が男性陣に好勝負を挑む。日高は昨年末の住之江クイーズクライマックスで伸び盛りの若手を一蹴して面目躍如のG1優勝。展開に応じた頭脳プレーは五十路を迎えても円熟味は充実。通算2000勝も間近に迫って来た。勝って知る若松で“グレートマザー”に地元ファンからも大きな期待が寄せられる。

 当地前回は5月のレディース戦で今年V4と絶好調のイダ天ぶりは寺田。現モーターの知識も把握。強気な攻めに徹して銘柄級が相手でも臆せずに好勝負を演じよう。

 勝利への意欲は人一倍強い海野。当地前回はF帰郷で雪辱戦に燃える。

 強固な闘志で艇団を割る攻めに勢いは日増しに上昇の鎌倉。新期勝率7・78は自己最高をマーク。今年は8優出で尼崎W優勝戦、蒲郡、浜名湖、戸田のレディース戦でV4。1着数も量産で好調度は軽視禁物だ。強気に徹して守りを好まず縦横無尽に駆け抜ける勝負度胸は満点。実績機を得れば凄まじい破壊力でファイナルへ熱視線だ。

 直前のSG大村オールスター初出場の竹井。強豪相手に価値ある対戦経験は自信を深めて今後の糧になる。今大回も地元若松記念は初参戦となるが地元ファンの大声援は強い味方。強気なスリット攻勢から天性の闘争心で好勝負を挑めば必ず道は開けるはずだ。

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