G1周年記念競走展望

【G1びわこ大賞】真っ赤に燃える湖国の戦い あす開幕

[ 2015年10月28日 05:30 ]

守田俊介が天才的なハンドルさばきで地元エースの貫禄を見せる
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 今年のボートレースびわこ、年に一度の祭典は秋季開催―。「開設?63周年記念G1びわこ大賞」がいよいよあす29日から開幕。11月3日までの6日間で覇を競う。松井繁、白井英治、池田浩二ら全国から屈指の猛者たちが集結。そして、先の浜名湖ダービーで悲願のSGウイナーとなった地元京滋のエース・守田俊介が凱旋する。2大会ぶりの当競走V奪還を目指す時の人が強力遠征陣を迎え撃つ。地元・芦屋SG出場をびわこで確実にさせたいニューヒーロー・池永太にも熱視線。赤く染まった湖国で、それぞれ地元愛を胸に熱く燃える。

 ◆守田俊介 地元タイトル渡さない エース凱旋V
 ~2大会ぶりへ “天才”の気迫~
 地元レーサーが地元のビッグレースを制すというのは格別なもの。びわこのG1周年記念「びわこ大賞」では2000年の山田豊が優勝してから12大会も地元・滋賀支部から優勝者が出なかった。

 2006年の第54回大会では吉川昭男が優勝戦1号艇をゲットして悲願のG1タイトル奪取へ地元水面で最大のチャンスを迎える。ボートレースびわこ本場では大いに盛り上がりを見せたが、結果は【3】着。勝負事がいかに難しいことかを思い知らされることとなる。

 その呪縛から解放されるのが、2014年3月の第61回大会。2006年の吉川昭男以来となる地元優出者が出る。守田と馬場貴也だ。守田は4枠ながらも、勝手を知る湖面を飼いならしてうまく展開を突きVゴールを決めたのだ。

 その表彰式の盛り上がりはハンパなく、地元ファンからやんやの喝さいを受けたことは言うまでもない。地元レーサーがヒーローになれば、最高のエンディングを迎えるということが手に取るように分かった瞬間だった。

 その喜びを地元滋賀支部の出場者で唯一知っているのが守田。前走の浜名湖ダービーではデビューしてから22年目でついに手にしたSGタイトル。艇界伝統の一戦の頂点に立ったばかりでの参戦だけに、すでに戦前から盛り上がる。2大会ぶりの当地競走V奪還へそして地元ファンを大いに沸かさんと腕をぶす。

 「地元で近畿地区選手権(2003年)に周年とG1を2つも優勝できたのでおなかはいっぱいですよ(笑い)。他場で勝つよりも、やっぱり断然、うれしいですね」

 タイトルホルダーとして今回も地元・滋賀支部の雄として注目される。

 「出るからには勝ちたいですね。優勝できたら最高。100%の力を出したいです」
 
 もちろん、最終目標は地元G1で3度目のヒーローになること。6月からボートレースびわこでも出力低減型モーターが導入されたが、守田自身には味方になっているのもVモードへの後押しをする。先の浜名湖ダービーでも好モーターをうまく飼いならして悲願のSG競走V奪取に成功していることも、うなずけるのだ。

 ~出力低減機と減量の効果大~
 「出力低減機にネガティブなイメージはないですよ。9月の戸田以外はそこそこ動かせていますね。操縦性をこさせることができているのでレースを楽しめています」 

 25日現在、今年はここまで23節中16回優出、優勝5回と一般戦中心ながら安定して活躍。モーターとうまく付き合っていることがリズム良好へとつながる。とりわけ、地元では出力低減型機になって3節参戦して3優出。減量効果も功を奏しているようだ。

 「普段から節制するように心がけています。体重50キロ後半と50キロでは舟の進み方が違うし、スピードの乗り方も違う。やっぱり乗っていて楽しいですね。レースを楽しめないことには始まらないですから」
 
 ハンドルテクニックは天才級とも言われる男はやはりレースを楽しんでこそ。そこにエンジンパワーが伴えば、なおいっそう、スゴ味が増すはずだ。SGウイナーとなってさらに進化した湖国エースのV奪還劇に期待しようではないか。

 ◆池永太 SG切符獲る
 ~9月三国でG1初戴冠~
 ホームプールで艇界最高峰レースであるSG競走が開催される運びとなれば、地元レーサーにとってガゼン、ヤル気は出るばかり。福岡支部所属の池永にとっても今年11月24日から開幕するボートレース芦屋でのSGチャレンジカップ出場は現時点での最大の目標になっている。

 そのモチベーションの高さが地力アップへと突き動かす。9月ボートレース三国の周年記念で悲願のG1タイトル奪取に成功したのだ。

 「本当にG1タイトルが欲しかったのでうれしいの一言。後輩たちに先を越されていたのでホッとしています」
 
 G1戦優勝賞金900万円獲得が利いて、21日現在、今年の獲得賞金額は4000万円超え。ランキングでも18位と目標達成へグイッと近づく。

 「今年は芦屋のSG戦を意識してやってきました。出場に向けてびわこの記念でもうちょっとがんばりたいですね」 

 チャレンジカップ選考期間は31日まで。勝利の余韻に浸る間もなく、今回の決戦の地・びわこでも手綱を緩めることはない。そのびわこでは、前回の昨年2月戦で見事、優勝を決めている。そして、13年2月に開催された3大会前のびわこ大賞では予選突破の活躍。水面相性はOKだ。

 「次は年末も意識していきたいです。G1を獲れたので自信を持ってレースに臨みます」 

 三国周年記念優勝戦では松井繁、今垣光太郎、田中信一郎、魚谷智之らSGタイトルホルダーを相手に逃げ切った。びわこでも百戦錬磨の猛者たちに敢然とチャレンジしていくだけ。次なる上のステージ・SG戦で活躍するために。

 【初日ドリーム戦展望】
 ~湖面大好き松井 先マイ決める~
 点増しのドリーム白カポック戦をモノにすることはV戦線を優位に進めることができるということ。そのチャンスを松井が生かす。湖面との相性は言うまでもない。先マイできるスタートを決めていく。

 対抗格は9月桐生、10月鳴門代替の宮島と、G1連覇を決める毒島。鋭い差しワザが入れば逆転まであるか。浜名湖ダービーの負傷帰郷は気になるが…。峰は持ち前のハイスピードを駆使して豪快にチャレンジ。赤岩はカドに持ち込んで冷静沈着に展開を読む。白井と守田は枠番が悪くて割り引いたが、展開が向くようなら迷わずラッシュをかけていくだろう。

 【先行予想】
 ~松井繁 死角なし 年末GPへ弾み~
 V候補筆頭は松井繁だ。びわこでの特別戦は5回優勝と水面実績は群を抜く。当地前走の7月スポニチ杯八景賞では圧倒的な強さでV。最後まで主役の座を譲らないワンマンショーぶりだった。現行モーターも経験した上に、結果も出す。調整面でもアドバンテージがあるとみる。点増しの初日ドリーム戦1号艇も願ってもないところ。ドル箱水面で弾みをつけて年末のグランプリ出場を確実なものとしたい。

 ~G1連覇 毒島対抗~
 他のドリーム戦メンバーがV候補次位グループ。9月の地元桐生に、10月の鳴門代替の宮島とG1連覇の毒島はグイッとリズムアップ。常に好勝負を演じる豪快ハンドルが持ち味の峰竜太。湖国G2(秩父宮妃記念杯)タイトルを持つ赤岩善生に、底力は十分の白井英治らがスタンバイ。

 ~天才ハンドリング守田激走~
 ドリーム戦6枠とはいえ、地元の水面を知り尽くした“湖国エース”守田俊介が、その天才的なハンドリングで大駆けしそうなムード。守田以外の地元京滋軍団も黙ってはいない。ダービー帰りの川北浩貴に、スピードスターの馬場貴也、2月当地近畿地区選手権で優出した君島秀三、兄・昭男譲りの熱い走りを見せる吉川喜継、地力をメキメキと付けてきた青木玄太が迎撃する。

 イン受難の難水面を得意とするレーサーたちもV戦線へ割って入る。当地前回戦で優勝した池上裕次(7月)、今垣光太郎(8月)、市橋卓士(昨年2月)、池永太(昨年2月)、河合佑樹(1月)らの走りにも注目。今年8Vと優勝を量産する笠原亮は05年度当競走覇者。近況の勢いもあるだけに大暴れの予感も。芝田浩治、柳沢一、吉永則雄、石野貴之らも名うてのびわこ巧者だ。

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