G1周年記念競走展望

【三国G1北陸艇王決戦】熱戦期待 地元勢VS強力遠征陣

[ 2015年2月24日 05:30 ]

V候補筆頭格の地元エース・今垣光太郎
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 ボートレース三国の開設61周年記念「G1北陸艇王決戦」はあす25日から3月2日まで、6日間の日程で開催される。地元勢はエース・今垣光太郎を中心にほか5選手がスタンバイ。対する遠征勢は松井繁を筆頭とした田中信一郎、太田和美の大阪勢に、グランプリファイナリストの白井英治や、素質光る桐生順平など実力者揃い。アツいバトルが展開されること間違いなしだ。

◆「大将の意地」 昨年グランプリでの苦難乗り越える
 地元の大将として絶大な声援を受けて参戦する。昨年はSG戦線ではオールスターの優出(【3】着)のみに終わったが、終盤の大事なところで宮島周年(【4】着)→福岡周年(【1】着)を連続優出。強烈な追い上げを見せて賞金ランク13位で2年ぶり12回目のグランプリ出場を決めた。

 だが、その大一番・グランプリは1走目で転覆のアクシデントに見舞われてしまう。

 「いきなりに転覆した自分が悪いんですけど、辛すぎました。ペラを合わせ切れなかったのと熱くなりすぎた結果ですね。平和島から帰って1週間ぐらい高熱が出ました。たぶん、ストレスが原因だったと思います」

 14年の総決算の舞台は一瞬にして終戦を迎えた。冷静さを欠いたのがすべて。悔しさから体調も崩した。自身の失敗とはいえ、後味の悪い最後となってしまった。しかし、グランプリでは結果を残せなかったが、1年を通して見れば悪い年ではなかった。

 「グランプリの転覆は余計でしたけど、今年につながる年でした。今年の(SG出場の)権利を取るための1年でした。とくにオーシャンカップが三国開催なのでG1の優勝戦に乗ることを意識しましたね。いままで散々フライングで失敗してきたので、スタートには気を使いました」

 そう。地元開催のオーシャンカップの出場権利を得るという重要な使命もあった。昨年11月の福岡周年の優勝で権利を確実なものとした。

 「オーシャンカップの出場権を早く取れてホッとしました」

 早い段階で得られたことで精神的にも余裕を持って今後へ臨めるはず。ただ、今大会はホームでの一戦とあって自然と力も入る場面ではあるが…。

 「20代の頃に比べれば気負いはなくなってますね。若い時はコンマ01とかを平気で行ってたけど、今はそういう勝負はしたくないです。とくに今年はフライングを切ったら終わりになりかねないので」

 精神力が試される大会。セルフコントロールがうまくいけば、今後の地元オーシャンカップや、「グランプリも6位までに入って第2ステージからのシードを取りたいです」と賞金ランクロードもうまく乗り越えていけるだろう。

 昨年末の苦い経験を糧に今シリーズは自制心を働かせ、地元のエースとしての役目を果たす。

◆2年前にG1初制覇 好相性の水面で再びVめざす
 今節は3人の地区戦覇者が登場する。関東を制した須藤博倫、近畿Vの太田和美、中国No・1に輝いた白井英治だ。太田は10年の当大会ウイナー。白井は目下G1連続優出中と好リズムを刻む。その中でも注目したいのは須藤。2年前の当大会でG1初Vを決めている。

 「あの時はペラ制度が変わった直後で半信半疑の部分もありました。ペラもこんな格好でいいのかなって。それでもいい成績が取れたし、エンジンに“走攻守”揃っていたのは間違いないと思います」

 10戦9勝の準パーフェクトVをやってのけた。この優勝も含め三国はここ6節で5優出2V。大得意の水面である。今節も大いに楽しみだ。

 「何でか要因は分からないんですけど、三国は相性がいいです。だいぶ前、準優4着で優出できないと思っていたけど、待機違反の選手が出て繰り上がりで優出。6号艇で一つ内が取れて、4コースの攻めに乗って捲り差しで優勝しました。こんなミラクルが三国ではあったんですよ」

 取材資料として用意した最近の三国成績にも乗っていなかった07年8月のこと。そんな古い話がスッとフラッシュバックするほど、いいイメージを抱いている水面だ。

 近況は優出さえままならない状況だった。2節前の住之江周年では「1号艇以外で勝てなくて」とこぼしていたほど。それがどうだ。地元で鮮やかな変わり身を見せた。

 「去年、久々にグランプリシリーズを走って、やっぱりこういう所で活躍しないとダメだなと思った。三国のあっせんが入った時に、ここを一つの起点にしていきたいと思っていました」

 好相性の地でさらに弾みをつけてSG戦線へ殴り込み。本格的な春の訪れを前に、ひと足早く“満開”といこう。

◆先行予想
 地元勢が戦線の中心となっていきそうだ。まずは何といってもエース・今垣光太郎の存在が大きい。新年に入り宮島周年で早くもG1制覇。順調そのもの。今大会もV候補筆頭格として大いに期待したい。当地オーシャンカップの権利取りへ石田政吾、萩原秀人、松田祐季の3人は是が非でも優出してポイントを上積みしていきたいところ。武田光史、松村康太は今後のあっ旋を見る限り苦しい状況だが、まずはここでしっかり結果を出しておきたい。

 強力な遠征陣が福井支部の前に立ちはだかる。その筆頭となるのはやはり松井繁だろう。当地での実績で群を抜く。洗練されたさばきと、存在感で強烈なプレッシャーを与えていく。

 白井英治は新年に入ってからも勢いは衰えていない。住之江周年を優出(【6】着)すると、中国地区選で優勝。別表の近況勝率はメンバー中No・1が示すように臨戦過程も良し。艇界屈指の攻撃力でアッと言わせるか。

 当地周年連覇が懸かる田中信一郎や、太田和美にも目が離せない。瞬時の判断力に加えて、旋回力の高さは折り紙付き。こちらも存在感を存分に示してくれそうだ。

 秘める素質は一級品の桐生順平も侮れない。ほかの選手にとってスピード旋回はかなり脅威になる。豪快な戦いでV戦線へと割って入る。

 浜野谷憲吾、須藤博倫も虎視たんたん。市川哲也、森高一真、湯川浩司、坪井康晴、吉川元浩らドリーム組も差はないだろう。

 ほかでは茅原悠紀の活躍に刺激を受ける山口達也に、旋回スピードがキラリと光る秋山直之にも警戒しておきたい。

【初日12R】ドリーム戦展望
 地元の絶好枠の一戦で今垣には逆らえない。意識的にも勝って地元勢に勢いを付けたいのが本音だろう。ファンの大きな期待を背負うだけに、スタートでの出負けも考えにくい。鋭発から一気に突き放していくだろう。白井は初日だけに手堅い作戦をとるか。2コースでの2連対率も63%と悪くない数字を残す。差して追走へ。太田は近1年間の3コースの2着率が50%と他の選手と比較しても相当高い。2着固定で買う手もありか。以下は数字的に混戦模様。3着は流し買いでよさそう。

【2日目12R】ドリーム戦展望
 松井が危なげなく決めて人気に応える。過去1年間の1コースでの平均STは0・14。ほかのどのコースよりも突っ込んでいるというデータがある。鋭いスタートから、完封勝利を収めるとみた。この枠番構成で最も怖いのが市川の存在だろう。基本は捲り差しだが、少しでもスキを見せるよう強烈なツケマイで襲い掛かる。浜野谷は2コースからの3連対率は74・3%とまずまずの数字。ブイ際に集中しての差しで堅実にまとめるか。田中がコース不問の洗練された旋回から突き抜けも。

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