G1周年記念競走展望

【からつG1 全日本王者決定戦】“ダービー王”深川 遠征勢には「暴れさせん」

[ 2018年1月23日 05:30 ]

地元水面での活躍を誓う昨年の“ダービー王”深川真二
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 魅せます、ダービー王の男意気、咲かせます、地元で大輪の花―。24日〜29日までからつボートで開設64周年記念G1「全日本王者決定戦」が行われる。SG覇者18人を含む猛者52選手が集結するが、9人の地元佐賀支部勢が黙ってはいない。中でも深川真二(43)は「うちのリビングルーム」と表現する地元水面でスタイル貫き、意地を見せてくる。その人柄と周年に懸ける意気込みに迫ってみた。

 光沢あるタキシードに身を包んだ深川は約2時間、終始笑顔でSGダービー祝勝会会場を周回した。来場者約200人からのあふれんばかりの祝福の声に対し、一礼に始まって気配り、目配り。壇上では気丈に、眼光鋭く正直に思いを語り、終宴後は会場出口での見送りまで、きっちり主役を務め上げた。

 「遠いところ、また近いところから、たくさん来ていただき、えー、いろんな方々。本当にありがとうございます。フライング2本目行ったんで、ちーと長い休みに入ることになりますがまた1から頑張るので応援してください」。

 ビシっと決意表明した深川は地元からつの正月開催で節間2本のFを切ってしまい、3月2日から約90日間の“春眠”。ただ、その間に2度も、からつを走る。「何もスタイルは変えない。いつも通り。変えるつもりもない。うちのリビングルームの少し奥から勝負になるけど(Fを)何本持っていようが頑張るよ」。

 F2は今回8度目。F3も1度ある。ただFの本数、競走のグレードは気にしない。「運動会で3着を目指して走る?人一等賞を狙うでしょ」と言うようにただ、どん欲に「1着」だけを狩る姿勢でスリット戦から妥協なし。キワで勝負をし続けてきた。

 「この競走は左周り。左側が強い。なので今は6コース戦を消している。あとは動いてみて、インが取れなかったら、しゃあない。2コースが取れたら御の字。3、4コースならば、問題なしって感じかな」。

 初出走から25年3カ月。前付けスタイルでついにSG「一等賞」を獲った。昨年の平和島ダービーは6枠で優出。2コース奪取からの差しでボートレース最高峰と呼ばれる、格式高い競走でSGを初制覇した。

 「いいモーターやったんで、あんまり何も考えてなかった。ただ、内が取れたらどこまででも行こうと。差されちゃうかなーと思ったけど、3周2M回ったときに“あっ、何かせんと”と思って」。人差し指を突き上げてのNo.1ポーズはクールに決まった。

 年末の住之江グランプリにも初出場。3着、6着でグランプリシリーズ戦に回ったが「なるようにしかならんし、いつも通りにやれたね」。佐賀に戻って、地元からつ水面で、新年を迎えた。

 F2での18年2節目、浜名湖一般戦。根性、度胸から違った。6枠の初日前半7R。前付けで2コース奪取しコンマ03の踏み込み。イン艇は+03のフライング。安定の踏み込みで好着を重ねて優勝戦1枠をゲット。インからコンマ15の快Sを決めるも、ゼロ台艇に捲られて3着に終わったがオール3連対で締めた。

 ファンのため、敵に負けることはあるが己には絶対に負けない。足かせこそ多いが?年の第56周年以来2度目の地元周年制覇を狙う。「地元は強力にリラックスして臨める。どこにでも居場所がある。オレの庭どころじゃないんよ。進入は、だいたい80メートルを越える。80〜75メートル起こしなら感覚で大丈夫よ。佐賀で、みんなで頑張る。(遠征勢には)暴れさせんよ」。噛む力が強力な肉食淡水魚ピラニアのような眼光とキバ。狙った獲物は逃さない。“がばい番長”はどこまでも水上で意地を魅せてくる。

 ◆深川 真二(ふかがわ・しんじ) 1974年(昭49)6月6日、佐賀県生まれの71期生。92年11月からつ一般戦で初出走。96年4月まるがめタイトル戦で初優出、初優勝。08年若松メモリアルでSG初優出、17年平和島ダービーでSG初優勝。SGは6優出で優勝1回。G1は21優出で優勝4回。通算優勝81回。主な同期は山崎智也、海野ゆかりら。1メートル65、5キロ。血液型B。

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