G1周年記念競走展望

【G1海の王者決定戦】新たに生まれ変わる大村に実力者集結

[ 2015年4月3日 05:30 ]

尼崎クラシックでSG初制覇、勢いに乗る桐生順平
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 ボートレース大村のG1「開設63周年記念・海の王者決定戦」は明日4日、ボート界のトップレーサー52人が集結し、9日まで6日間にわたって熱戦を繰り広げる。新しく生まれ変わったボートレース発祥の地・大村。新エンジン2節目での大会だけに波乱の要素は十分含んでいる。初日から3日間、最終12Rで行われるトリプルドリーム。その18人の選出、枠番は5月に当地で行われるSGオールスターの選考順位及び得票数で決定されている。その中で勢いは先の尼崎クラシックを制した桐生順平だ。大村も前々回V、前回の62周年準Vと実績をつくってきている。関東の若きリーダーが初日から魅せる。

◆成長続ける桐生 「関東の若きリーダー」へ SG初制覇の勢いそのままに
 昨年は戸田ヤングダービーでG18回目の優出で初V。センス、スピード抜群の桐生にしても7年6カ月を有した。そしてその5カ月後の先の尼崎クラシックでSG5回目の優出で初戴冠。準優で得点上位の仲口、篠崎元の1号艇が敗退したが、ツキも実力のうち。そして大一番はインから08のトップSを放ったのだ。一昨年の福岡オールスターで勝ち取った優勝戦の1号艇。そして悔いの残るS遅れの惨敗。同じテツは踏まぬ。悔しい思いがあるから冷静になれた。埼玉の若きリーダーがまた一歩成長。これからは関東をグイグイ引っ張っていくだろう。

 桐生の大村出場は今回で7度目。昨年の3月、5度目の出場で初優出、初V。9戦8勝の準完全Vだった。そして4月の?周年でも優出。惜しくも優勝は逃したが準Vで締めくくった。大村との相性もグンとアップ。そして勢いづいての参戦だ。初日の1stドリームは4号艇。カドからの仕掛けだ。スピードに乗せての捲り、捲り差しで突破だ。ノルマは当然、優勝の2文字しかない。この男ならやってくれる。

◆今年のG1戦線で一際目立つ今垣
 今年のここまでのG1戦線で誰が目立ちまくっているかと言えば、真っ先に今垣光太郎の名前が挙がるだろう。1月の宮島周年をインからきっちり押し切って優勝。2月の地元三国周年では、十八番ともいえる3コースカド戦で一気の捲りV。最後に、おいしいところをかっさらっていった。乗りに乗っている男は、3月のSG尼崎クラシックに乗り込んだが3走目のイン戦でまさかの出遅れ(L)。途中帰郷となってしまったが、持ち味のスリット戦には影響はなし。ここ一番の勝負強さと強気攻めで上位着を並べていきそうだ。

 大村での実績も十分だ。10年の58周年を制しており、今回、5年ぶりの頂点を狙ってくる。当地前回は14年の62周年。前回は準優勝戦で敗退したが、G1通26Vの男は必ず、どん欲に、やり返してくるとみる。

 トリプルドリーム戦の第1弾、初日12Rの1stドリームに3枠で登場する。他の意表を突く3カド戦か自在攻めか、強捲りか。「光ちゃん」の注目は、戦法から始まる。

◆昨年再ブレークを果たした勢いを取り戻したい菊地
 今年に入って正直、停滞中の菊地孝平の奮起が待たれる。14年にSG福岡オールスターと浜名湖グラチャンを連続で勝ち、年末の平和島グランプリでは準優勝。見事に再ブレークに成功し最優秀選手、最多賞金獲得選手、記者大賞をいずれも初受賞。タイトルも総なめにしたスタート野郎だが最近、乗り切れていない。

 今年初戦となった児島一般戦できっちりと優勝したものの、その後のG1で4走、SG尼崎クラシックでは優出なし。持ち前のスリット戦のキレは健在だが、15年の開幕ダッシュのスタートは快ショットとは言えず。まずは今節で、リズムを取り戻したいところだ。

 大村には14年の62周年以来の登場となる。前回は準優勝戦で敗退しているが、G1通算優勝は7回と経験は十分。体内に宿る抜群のS勘でカバーし、確実に仕切り直してきそうだ。

 主力級の一角として、2日目12Rの2ndドリームで3枠で登場する。新スタンドとなったボート発祥の地で新鮮な気持ちに切り替えて再出発を狙ってくる。

◆「宇宙人」が好ハンドルで魅せる 躍進を続ける茅原
 新世代の筆頭格がボート界の下克上を狙って躍進を続けている。平和島グランプリで6コースからSG初Vを決めたシンデレラボーイ、茅原悠紀だ。本栖組からの世代交代をもくろむ、やまと学校卒の若手実力派集団「ニュージェネレーション」で唯一の1億円男は最近、さらに旋回スピードに磨きがかかっている。 

 荒れ水面の江戸川、静水面の多摩川でも、お構いなしにブン回って着を上げるターン、狭いスペースをあり得ない角度で突き刺してくる異次元の差し技は、周囲から「宇宙人」との声が漏れる。昨年末からの連続SG制覇を狙った尼崎クラシックでは4走目で5コースからコンマ01のフライングを切ってしまったが、F1でも心配はご無用。道中のターン勝負だけで、上位着を並べていけそう。

 G1で2勝目を狙う若武者は3日目12Rの3rdドリーム2枠で登場する。1枠にはレジェンド今村豊がおり、世代交代を狙うには持ってこいの相手だ。好ハンドルからの鋭角差しで、必ずや見せ場を作るはずだ。

◆トリプルドリーム戦展望
 初日から3日目までの最終12Rでトリプルドリームが組まれている。初日の1stドリームは別項の6人。今年の初っぱなのからつ周年を制し好スタートを切った瓜生だったが、続くからつ連覇がかかる地区選手権の準優で痛恨のF。そして尼崎クラシックの初日に2本目のFを犯した。2回とも切ったつもりはないと言う。今シリーズを終え1本目のF休みに入り、5月のオールスターを終え2本目の休みに入る。Sは行けぬ身だが、遅めの全速Sで対処してくるだろう。1号艇、やはり本命だ。

 対抗は桐生。SGを制した勢いそのままにカド一気の攻めをみせるか。松井も大村は実績豊富。そろそろリズムをつかみたいところ。52、58周年の覇者は今垣。今年は地元周年をカド3コースに持ち込み快勝V。進入次第では3カドも。外枠もまったく苦にしないのが地元の下條。昨年はFに苦しんだ。今期は勝率4点台から始まり巻き返し急。Fは間違っても切れない身だが、おとなしく引き下がる男でもない。コーナー戦で道を切り開く。辻は前回優出している。展開突いて好配を提供か。

 2ndドリームは池田が人気に応える。昨年はFにも悩まされ精彩を欠いていたが、12月の大村誕生祭では魅せた。準優でひと足アップから快勝。思惑通り優勝戦3号艇を手にしたのだ。今年のクラシック出場権を手にする最後のチャンスだった。そして集中力が凄かった。Sでハナを切ったのだ。インの太田は慌てたのだろう。先マイに出るもターンマークに接触し落水。その間隙を池田が鋭く捲り差し、クラシックのキップを手にしたのだ。周年記念は50、60、61大会で優出し【4】【3】【3】着。大村グレードレース連覇へ、池田が集中力を高める。

 篠崎元は58、59大会の2回しか顔を出していないし優出も果たせていないが、新鋭リーグでは過去2V。2回とも11戦10勝と力の差を見せつけている。今年は頂点を目指し突き進む。ボート界きってのS巧者菊地にしても大村はSが難しいという。以前は苦手意識もあったが、今は払しょくできている。カドから見せ場をつくりたいのは赤坂。地元では勝負どころで枠が悪いときは積極的に動く。湯川は5年前の大村グラチャンの覇者である。62周年では準優で敗退したが、61周年は優出している。悪いイメージはない。前田は過去5回出場して優出なし。大村は初出場の1走目に転覆。苦手意識もありそうだ。

 3rdドリームは34、38、55大会の覇者でもある今村が受けて立つ。年を重ねても見劣るところは何一つない。前回のタイトル戦は7戦全勝の完全Vだった。今回も的確なハンドルさばきを見せてくれるだろう。茅原に太田も先のクラシックでFに散った。スリットをどこまで攻められるか。そのSではカドの原田だ。捲り一撃のシーンは十分考えられる。その展開なら新田と石橋にも出番ありだ。

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