G1周年記念競走展望

【大村G1 海の王者決定戦】12人の輝けるドリーム戦士を追跡

[ 2016年5月11日 05:30 ]

4月の津、三国周年では準優で惜敗…反撃に転じたい瓜生正義
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 ボートレース大村の「G1海の王者決定戦」が明日、12日から17日までの6日間、熱戦を展開する。初日の12Rで発祥地ドリーム。2日目の12RでカステラドリームのWドリームが組めるほどの豪華メンバー。ドリーム選手12人の輝ける足跡を追ってみた。また、3日目の12Rでは企画番組。85期による銀河系選抜が行われ、すでに枠番も決まっている。シリーズは楽しみいっぱい。17日の夕刻、頂点に輝くのは果たして誰なのか。

 【初日ドリーム展望】

 ▼1号艇 瓜生正義(40=福岡)SG29優出7Vはだてじゃない
 
 デビュー当初からモノの違いを存分に見せつけていた。1年1カ月で初優出し、5カ月後には初優勝。その後は記念戦線に定着して、スピードターン全開で数字を稼ぎまくった。SGは29優出7V、G1は81優出で14Vを誇る。まさにボートレース界を背負って立っている男なのだ。
 
 そんな瓜生も昨年はどうもリズムに乗りきれなかった。毎年当たり前のように顔を出していたグランプリ出場が連続10回でストップ。瓜生のいないグランプリはなにか空虚な感はぬぐえない。
 
 シリーズ準優勝でF休みに入り、今年の走り初めは1月24日からの若松だった。優勝戦には乗ったが6着大敗の結果。続く住之江では準優まで6戦全勝。完全V達成かと思われたが、捲られて準優勝に終わった。昨年のリズムを引きずっているのか…。その後もピリッとしない。準優で敗退続きなのだ。
 
 4月の津、三国周年でも準優で連続惜敗3着だった。瓜生らしくない。そろそろ反撃に転じなければ…、というタイミングで今回の大村G1を迎える。51周年、昨年の誕生祭を制したように相性は申し分ない。もちろんV最有力候補。当然のように初日ドリーム1号艇に座る。この重要な一戦もあっさりと制するだろう。2016年の瓜生は大村から本格化。年末にはそんな見出しが躍っているかもしれない。

 ▼2号艇 白井英治(39=山口)大村60周年の覇者
 
 SGはすぐ勝てると言われていたが、最後はことごとく女神にそっぽを向かれ続けた。そして一昨年の若松メモリアル。2コースから00のタッチSでやっと勝った。17年を費やしての初戴冠に師匠・今村豊も涙したものだ。今年も滑り出しは順調。正月の徳山を制し、続く尼崎周年準V。2月の常滑で2V。3月の常滑で連続V。続く唐津MB大賞ではメモリアルの再現とばかりに、またも00スタートで優勝した。勢いは増すばかり。大村は60周年の覇者。ホワイトシャークが牙をむく。

 ▼3号艇 坪井康晴(38=静岡)捲り差しサク裂だ!!
 
 デビューから8年2カ月。06年の浜名湖GC競走で初優出、初優勝の快挙を成し遂げた。勝っておごらず、負けても表情は変わらない。人当たりのいい選手だ。昨年のグランプリでは1stで敗退。心身をリフレッシュさせた今年はクラシックで爆発だ。3連対キープで4日目からリズムをがっちりつかみ3連勝での頂上決戦。仕上げたエンジンはフル回転。自身3度目のSGVだった。大村は誕生祭を含め2V。チャレンジC、周年の優出もある。初日ドリームは捲り差しサク裂か。

 ▼4号艇 赤坂俊輔(33=長崎)フルダッシュ決める
 
 地元で初優出を決めたのが11年前。大敗に終わったが、そこから着実に力をつけてきた。初優出から3年後に地元初優勝を飾った。地元G1での実績はないが、3年前のG2MB大賞では優勝の実績もある。通算24Vのうち地元では8Vを決めている。G1初Vを決めたのが10年の唐津地区選手権。SGは過去18回出場し5回準優までコマを進めている。優出はまだないが、12年の福岡ダービーでは3着惜敗だった。今回は地元代表でドリーム4号艇。フルダッシュで見せ場はつくる。

 ▼5号艇 田村隆信(38=徳島)若くして四国No.1に輝く
 
 頭角を現すのは早かった。初優出は7カ月目の丸亀。初優勝は1年2カ月目の蒲郡。その後に鳴門地区選手権でG1デビューし、初優出も決めた。3年3カ月目の丸亀新鋭王座戦ではG1初優勝を決めた。そしてデビューから2年目にSG初出場とスピード出世。4年9カ月目の若松OCでSG初優勝だ。若くして四国NO.1として全国にアピールしていった。大村は過去13場所走り、前回の優勝を含め3V。初Vを決めたのがSG第14回チャレンジCだった。相性は抜群とみていい。
 
 ▼6号艇 原田幸哉(40=愛知)Sの切れ者が連覇に挑む
 
 前回の周年は最後に笑った。イン桐生は02の勇み足。原田は02の際どいSで残したのだ。平均S「12」。SG戦士では断トツのSの切れ者である。原田より前にいたらFにつながるのだ。今年は2月の多摩川、3月の三国でV。その後は蒲郡地区選手権、平和島クラシックはともに準優で敗退し、4月の三国周年では優勝戦6着と大敗だった。とはいえ、今回の舞台は大村。前回の周年を含め5Vの実績を残している。現役選手で連覇はまだいない。Sの切れ者が今回、挑戦する。

 【2日目ドリーム展望】

 ▼1号艇 峰竜太(31=佐賀)今年初Vの地でドリーム制覇狙う
 
 デビュー当初から素質は評価されていた。案の定、3期目にしてA2に昇格。そして4期目にはさらなる飛躍を見せた。勝率6・69を稼いだのだ。たっぷりお釣りを残してA1に駆け上がった。ハイレベルなセンスが爆発しつつあった時期だ。
 
 その後も活躍はとどまるところを知らない。もはや今ではSG、G1の常連さん。というより、常に優勝候補に名前が挙がる男になっている。そのSGで、まだ優勝の2文字がないのは艇界の七不思議!?。
 
 ここまでSG優出は9回、準優勝は何と4回を数える。記憶に新しいのが昨年の蒲郡メモリアル。頂上決戦では1周1Mで篠崎元志の差しを許したものの、1周2Mで差し返し。これでSG初優勝が決まり! 誰もがそう思った矢先の2周1Mで、まさかまさか、篠崎に差し返され、またも勝利の女神に見放されてしまった。優勝戦フライングに散った戸田ヤングダービーも含め今まで何度、涙したことだろう。
 
 だが、その都度、ひと皮向けて強さを増してきた。SGはすぐ取れる。そして、近いうちに黄金のヘルメットをかぶるに違いない。そんな峰だからこそ、ドリームの1号艇を任せられるわけだ。準地元の大村は今年初Vの地。走り方は熟知している。まずは、ドリームを制し弾みを付けたい。

 ▼2号艇 菊地孝平(37=静岡)苦手意識振り払う
 
 スタート野郎の心技体がかみ合ったのが一昨年だった。05年若松メモリアルでSG初制覇。09年またも若松で開催されたオーシャンCで2度目の美酒。そして14年福岡オールスターを制し続く浜名湖グラチャンでSG連続Vだ。グランプリは惜しくも準Vに終わったが、充実した年だった。その菊地が大村ではまだ優勝がない。18場所走って優出5回で3着が最高。大村と宮島はスタートが難しいという。苦手意識もありそうだがそろそろ払しょくか。S勘を研ぎ澄ませ弾丸Sサク裂だ。

 ▼3号艇 吉川元浩(43=兵庫)今度こそ結果出すぞ
 
 充実していた年は07年だった。平和島ダービーで優出し、福岡グランプリに出場。2着1着1着で頂上決戦へ。そして初出場、初優勝の快挙だった。08年3着、09年5着と3年連続で決勝に進めた。その後、快音はないが、吉川のもう一つ目を引くのが完全Vが5回もあるのだ。02年尼崎8連勝、07年若松12連勝、08年多摩川11連勝、09年尼崎9連勝、10年大村11連勝だ。大村との相性もいい。今年は尼崎地区選手権で優勝したが、大村周年は5回走って実績は残していない。今度こそ結果を出す。

 ▼4号艇 井口佳典(38=三重)抜群の相性生かす
 
 05年若松メモリアルでSG初出場。06年住之江グランプリシリーズにも出場。着々と実力をつけ07年桐生オーシャンCでSG初優出を決めた。その年の福岡グランプリに初出場。そして翌年の08年に爆発する。平和島クラシックでSG初戴冠。勢いは止まらない。住之江グランプリを2着1着2着で頂上決戦に挑み、黄金のヘルメットをかぶったのだ。大村相性もいい。18場所走って9優出。優勝は1回しかないが、59、60、61周年を入れてただ今、6場所連続優出中なのだ。今回もV至近だ。?

 ▼5号艇 毒島誠(32=群馬)群馬の星が猛烈アピール
 
 デビュー3年目に頭角を現し、4年目でA1入り。その後はスピード戦で魅了していった。今は山崎智也と共に群馬2強の存在だ。13年丸亀メモリアルでSGタイトルホルダーの仲間入りを果たした。一昨年の下関チャレンジCで見せた道中、茅原悠紀とのバトルは語りぐさ。スピード戦での応戦は見応えがあった。大村は過去にまだ7場所しか走っていない。苦手意識があるのか、数が少ないからか優出はまだない。群馬の星が今回は奮起。大村ファンに強烈にアピールしてほしい。

 ▼6号艇 池田浩二(38=愛知)コース不問の俊敏さばき
 
 デビューから6カ月目に常滑で初優出。初優勝はその1年後の蒲郡だった。その4年後の丸亀グラチャンでSG初制覇。そこからトップレーサーへと駆け上がっていく。05年はグランプリシリーズV。09年にクラシック、メモリアルの2V。11年はオールスター、ダービー、グランプリを制覇した。13年はクラシックを勝ち、2度目のグランプリ制覇も果たした。大村は3V。一昨年暮れの誕生祭Vでは最高の笑顔を見せた。コース不問の俊敏なハンドルさばき。今回も名を刻む。

 【先行予想】

 ◆地元からは下條注目
 
 優勝者はドリーム組から出るか。前回の覇者は原田。際どいスタートを決めての勝ち名乗りだった。初日の点増しドリームでの6号艇がいい。ここで上位に食い込めば視界は開ける。2日目の池田も同様だ。
 
 1号艇でスタートするのは瓜生と峰。この2人の大村での過去1年間のインからのレースは瓜生が8回で峰が5回。瓜生は全勝なのに対して峰は3勝と、2回外している。今年はなかなかリズムに乗れない瓜生。相性いい地で軌道修正か。初日に流れをグッと引き寄せたい。峰はとにかくエンジンを出す。大村も好きなプールだ。連日追っかけたい。他のドリーム組では前期勝率8・24と2回目の1位についた60周年の覇者・白井が腕をぶしている。

 ドリーム以外では、大村との相性抜群な服部幸男がおもしろい。前々期は苦戦を強いられたが、前期は完全復活した。“大駒”の田中信一郎をはじめ、森高一真、山口剛、深谷知博、黒井達矢、松田大志郎らも魅力にあふれている。
 
 強豪を迎え撃つ地元勢は樋口亮、石橋道友、赤坂俊輔、下條雄太郎、桑原悠の5人衆。その中で今、もっとも乗れてるのが石橋だが、期初めの大村GWシリーズ5日目に痛恨のF。そうなると期待は下條だ。暖かくなる季節から勢いを増すタイプ。意地を見せる。

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