G1周年記念競走展望

【からつG1全日本王者決定戦】2015初戦 地元Vに燃える三井所

[ 2015年1月12日 05:30 ]

悲願の地元記念制覇をめざす三井所尊春
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 2015年の賞金ロードもボートレースからつから始まる。今年のG1第1戦「開設61周年記念競走G1全日本王者決定戦」は13日に開幕する。初日、2日目にダブルドリームが組めるほど、全国から豪華メンバーが集結した。熱戦は間違いない。もちろん、迎え撃つ地元勢も優勝のチャンスは十分。中でも三井所尊春にもっとも大きな期待がかかる。地元G1に懸ける思いを熱く語ってもらった。

【三井所と一問一答】
 
 ―お正月の佐賀県選手権は勝率のないエンジンで優勝は逃がしたが優出【2】着。地元で迎える今年初戦の周年記念に向けて大きな自信になったのではないでしょうか。

 本体整備にペラの形もいろいろと試した。いい方向に来たのは確かです。地元意識もあるし、できれば唐津でG1を獲りたいですね。

 ―さて、正月戦で対戦した中で、周年記念で引きたいと思ったエンジンはありますか。

 昨年の11月に自分が優勝した46号や49、28、40、32、37、35も好歴機。それから正月に長溝さんが優勝した62も実戦向きでしょう。

 ―からつ水面は地元だけに走る機会も多いし、プロペラの形やエンジン整備の知識も県外勢よりも豊富でしょね。

 そうですね。周年記念を前に正月戦を走ったのはアドバンテージになるのは間違いない。唐津は2節連続のあっ旋で、乗艇経験は方向性にも余裕はある。

 ―師匠は長溝一生さんでしたね。正月戦も一緒に走ってワンツーでした。アドバイス等で学んだことは多いのでは。

 メンタル面とか、良くしてもらって感謝しています。

 ―SG戦ではニュージェネレーション旋風が強まっています。三井所さんも正月戦では地元の若手に身ぶり、手ぶりで教えている姿を何度も見かけましたよ。

 大レースで若い人が活躍することは、同年代には刺激になる。佐賀県の若手も負け地に育ってほしいし、自分が分かる範囲で知ってることは教えたい。

 ―三井所さんはここまでG1優出7回、SG優出は13年の津CCで優出【4】着がありますね。 

 チャンスは何度かはあったが、大事な所でFを切ってリズムを崩してしまった。最近はできる限りFをしないように心がけている。

 ―昨年は優出14回で優勝は4V。3月のクラシック出場にはわずかに届かなかったですね。

 もっと勝てたと思う1年でした。優勝回数もそうですが、もう少しいい成績を残せたはずだった…。

 ―三井所さんはボートレーサーとしては身長も高いし、体重の管理等で日々の生活で心がけていることはありますか。

 食生活でもバランス良く、奥さんに支えてもらっているし、本当に感謝はしています。レースだけに集中ができます。

 ―地元ファンの皆様へメッセージを。

 いつも声援を送ってもらって心強く思っています。地元佐賀の6人で全力で優勝を狙いに行きます。

【三井所に聞く水面攻略法】

 唐津の水源はボート場の前を流れる松浦川で淡水面です。競走プールは南北に580メートルもあって全国屈指の広さ。唐津湾も近くて、1年を通して競走水面は北寄りの風(ホーム追い)が吹く日が多いですね。特に唐津周年記念が開催される1月は真冬の気圧配置が強まり、春先の3月ぐらいまで時折突風が吹き荒れて白波が立ち、安定板を使用することもしばしば。最近はレース場を取り囲む防風林が大きく育って、以前に比べて風の影響は少なくなってます。

 唐津は広大なプール設定でピットから2Mブイまで178メートルと長く、ピット離れも重要視されます。レース隊形や勝敗は追い風の強さによって異なってきますが、穏やかな追い風ならイン逃げが多くなりますね。逆にそれ以上の4~5メートルの追い風は2、3コースの差しやダッシュ勢のまくり差しが決まるケースもあります。横幅が広いコースなので大外からまくり切るのは難しいですね。

 コースを知り尽くす地元の選手は、行き足から旋回後の力強い舟足を求めます。もちろん、伸びも必要ですが、風向き、水面、スロー域の利きを考えて、出足やコーナーのグリップ感に重点を置いて調整します。

【総展望】

 本来であれば地元の期待を背負う深川真二と峰竜太の二枚看板が不在。もちろん、2日目のドリーム戦に登場する森永ら、その他の地元勢の意地にも期待したいが、V戦線は遠征陣が中心となるか。昨年末のSGグランプリ(賞金王決定戦)からは、9人が参戦。いずれも“超”のつく実力者で、15年一発目のG1から目が離せない存在となる。

 初日ドリーム戦1号艇の山崎は、昨年G1、5勝と勝負強さを見せつけた。当地は97年ダービーでSG初優勝を達成したほか、06年周年制覇と相性は抜群。不惑を迎えても、全く衰えを見せないスピードターンでファンを沸かせる。

 6年連続のSG制覇を逃した瓜生にとって、今年は仕切り直しの一年となる。昨年は年間勝率No・1と安定感を見せた一方で、記念制覇は九州地区戦のみ。同じ淡水の芦屋を大得意としているように、当地でも10年チャレンジC、12年周年優出と結果を残している。
 
 昨年のメモリアル(MB記念)で悲願のSG制覇を達成した白井は豪快戦が魅力。グランプリ1号艇の重圧を経験したことは、今後の糧となるに違いない。今年はさらに一皮むけた姿を見せてくれるだろう。

 池田は昨年フライングに苦しみながらも、SG4優出と、大舞台で本領を発揮した。テクニックはSG戦士の中でもピカ一。広大な水面で代名詞のウイリーモンキーが火を吹くか。

 08年当地周年覇者の松井もチャンスがあれば逃さない。近況はややエンジン抽選に左右されるシリーズが目立つが、年末の地元グランプリ出場へ“王者”の逆算はここから始まる。

 地元グランプリを見据えるなら丸岡、石野も当然気合の入る一年になるだろう。どちらも一時の不振は完全に脱しており、ハイレベルな走りで優勝争いに加わりたい。

 新鋭世代では、記念戦線で完全復活を目指す篠崎や新田の両SGウイナー、1期上の茅原悠紀のグランプリ制覇に刺激を受ける桐生、地元で気合パンパンの古賀に注目だ。素質が花開き始めている江崎が初の記念でどんな走りを見せるかも楽しみにしたい。

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