G1周年記念競走展望

【児島G1 児島キングカップ】今年8Vの長嶋ら女子選手6人登場!

[ 2017年11月1日 05:30 ]

今年8Vと絶好調の長嶋万記
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 11月の声を聞くと、賞金ランクの話題に包まれる。そんな中ボートレース児島でビッグイベント。開設65周年記念競走G1「児島キングカップ」は2日に開幕する。話題を呼ぶのが女子。長嶋、小野、遠藤、そして“地元3人娘”寺田、田口、守屋と6人も登場する。最近のG1にない“大量あっせん”。6人は初日11Rクイーン選抜でまず相まみえる。それ以上に、やはり男子を倒して高配当を演出するシーンが楽しみ。さあ、お目当て女子から買って、高配当をゲットだ!!

 ◎長嶋万記 絶好調!今年8V

 日々進化を遂げるポジティブヒロインが、猛烈な快進撃を繰り広げている。今年は26節で8V。とにかく絶好調だ。記念戦線でも爪痕を残した。3月の当地SGクラシックは予選突破。7月の浜名湖周年でも準優に進んでみせた。男女混合のSG、G1でも好結果を残したことに意味がある。

 なぜ、こんなにも好調なのか。長嶋の強みとは何なのか。ポジティブな姿勢、これこそ、長嶋が開花した原動力だろう。

 「SGに出たら、全然違いましたね。全体的な底上げが必要だし、心の持ち方にしても全部のレースが勉強になりました」

 常にどうすればいいかをポジティブに考え、試行錯誤を繰り返す。今もすべてが勉強。真摯(しんし)に取り組む姿勢に強さがにじみ出ている。

 「今のペラは、女子戦ならスタートを行って1Mで決められるようなペラ。でも、これだと記念ではもろさが出てしまう」

 女子戦では勝てる。だからといって、それに甘んじているような長嶋ではない。直前の平和島ダービーでは予選こそ突破ならなかったが「(仕上がりに)納得はしている」と、ある程度のレベルには達していた。

 「完璧を目指すから伸びシロがあるというか、(上を目指す気持ちが)エネルギーになっています」

 前を向き続けることが原動力と話す。アクティヴ一辺倒ではなく、タフネスな精神力も、長嶋の強さであり魅力だろう。

 「(3月の当地)クラシックを走って、すごく成長できていると思う」

 児島の地でひと回りもふた回りも成長できた。9月のヴィーナスシリーズでは優勝も飾っている。周年にも呼ばれた児島は、まさに2017年の長嶋を象徴する地。今回もさらなる進化となるか見届けたい。

 ◎寺田千恵 パイオニア健在

 今やSGでも女子が男子相手に好勝負を演じる。ただ一昔前はそうでもなかった。寺田こそ女子が男子一流を倒したパイオニア的な存在。01年からつグラチャンで、SG優出を成し遂げたのだ。それも1号艇というおまけつき。今思えば、本当に歴史が大きく変わる大・大チャンスだった。

 結果は5着に大敗している。簡単に勝たせまいという男子の意地もあっただろう。ただ、この優出で女No.1の肩書きは、長らく寺田が背負うことになった。

 あれから16年が経ち、女子も新興勢力の活躍がめざましい。もちろん寺田も彼女たちに負けじの活躍。先のSG平和島ダービーにも出場したのだから。走り慣れた児島水面なら、平和島以上の活躍は期待できる。

 今や完全に岡山女子の顔となった。福岡の寺田を知るファンは少ない? 地元周年は3年ぶりの登場。まだまだ強いテラッチを楽しみたいファンは多い。

 ◎田口節子 さすがの安定感

 ダービーでは平凡機に苦しみ結果を残せなかったが、ダービーに出場できたということはこの1年間、高いレベルでずっと走ってきたということだ。女子レースの舞台が多かったとはいえ、前期も8点に迫る勢いで突っ走ってきた。この安定感はさすが。母親になっても強い田口に変わりはなかった。大会に花を添える女子実力者6人が登場。それでも田口はいつも通りマイペースを貫く。

 「(女子6人は)記憶にないですが、誰が相手でも目の前のレースに集中するだけ。気負うと良くないのはよくわかっているので。レースはレースで頑張るというスタイルが私には合っていると思います」

 初日11Rの「クイーン選抜」は地元の看板を背負って寺田千、守屋とともにファンにアツいレースを見せてくれるだろう。3枠なら3コースから得意の捲り差し突破も十分あり。実績エンジンを引けば男子相手でも必ず見せ場はつくる。

 ◎遠藤エミ 今やSG常連

 今年は、3月の児島クラシック以外のSG競走にすべて出場している。女子では、珍しい“常連”だ。技量については、もはや説明はいらないだろう。これだけ場数を踏んでいたら、いつかは…となってくるのは、至極当然の話となってくる。その前に、今回の児島G1レースでドカン!と大花火をぶち上げてくれないか。そこで課題となっているのがペラ調整だという。

 「ペラ調整でずっと迷っているんですよね。今年、本当に合っていたのは6月の桐生イースタンヤングと、7月のまるがめオーシャンカップの2節だけでした。合っていたら思い切ったレースができるんですよ」

 彼女の持ち味はなんといってもブンブン!と握って回す全速戦だ。ペラ調整がピタリと合って最高の乗り味が来れば、そのターンにより磨きがかかる。

 「児島は9月に2年ぶりに走ったくらいなので、あまり印象はないけど、なんとか出たとこ勝負で行きたいですね」

 ペラ調整に正解を出せば好勝負は必至だ。未来のクイーンへ。秋深まる瀬戸内に、ブンブン!エミちゃん旋風を巻き起こせ。

 ◎守屋美穂 うれしい初周年

 これまでG1出場といえばレディースチャンピオン、ヤングダービー、中国地区選手権。まだ周年記念は一度も走ったことがない。そんな守屋が地元児島周年に選ばれた。

 「正直すごくうれしいです。キングカップは地区戦とかのG1とはちょっと違いますからね。それに岡山は強い女子選手がたくさんいるのに選んでくれて(関係者に)感謝してます」

もちろん参加だけではつまらない。アイドルなみのルックスとは裏腹に大胆なハンドルはなかなかの切れ味。軽量を生かし切れば見せ場はきっとつくれる。

 「具体的な目標はないんですが、単価の高いレースなんで、なるべく年末までに賞金(26日現在21位)を上積みできたらいいなって思ってます」

 クイーンズクライマックス出場も視野に入る。初の地元周年。いろんな思いを込めて守屋は駆け抜ける。

 ◎小野生奈 なりたて新女王

 8月レディースチャンピオン優勝戦。小野は1番人気の重圧をはねのけイン速攻劇で「女王」の称号を手に入れた。

 「自分が思ってる以上に周りからは期待されてたんで正直ホッとしました。女王になったからといってやることは一緒。毎節エンジンとしっかり向き合ってレースに集中していくだけ」

 この一貫した姿勢がその後の活躍につながっている。女王ホヤホヤだった次の若松一般戦では岡崎恭裕、塩田北斗、仲谷颯仁ら強豪男子相手に大接戦を競り勝った時は大喜びだった。

 「あの時は1号艇が岡崎さんだったんで勝てる雰囲気もなかったけど勝った時は“やった!”って感じでした。レディースチャンピオンの時とはちょっと違いましたね」

 今年はSGでも2度(オールスター、オーシャン)予選を突破するなど男子相手でもヒケは取らない。「調整が難しい…」という今回の児島でも大丈夫か。

「いや、私は自信を持つとダメなタイプなんで、常にチャレンジャーのつもりで頑張りたいです」

 この謙虚さがちょうどいいわけだ。男子と互角の勝負を演じる“新女王”。秋の児島でさらに輝く。

 ◎総展望

 やはりWドリームメンバーから優勝者が出る確率が高い。まずは今年3月のSGクラシックでの優勝は記憶に新しい桐生。相性抜群の水面で活躍を誓う。グランプリ1枠スタートが狙える位置だけに気合も入る。クラシックで見せた豪快なレースを期待したい。この夏はワースト機に苦しんだ松井だが涼しくなって軌道修正に成功。桐生周年の優勝で完全に流れは変わったか。初めてSGを制した思い出の地で王者の舞いを披露する。さらに近況好ムードの白井、寺田祥の山口両者や菊地、辻、森高らもV争いに絡んでくる。

 地元陣営も黙ってはいない。まずは茅原だ。地元エースに成長した今、まだ手にしていないキングカップのタイトルは絶対に獲得したい。吉田は9月の住之江高松宮記念で6コースから優勝を飾った。ここ勝てば一気にグランプリ出場圏内に入るだけに気持ちも入る。GW→お盆と児島連覇中の平尾も忘れてはいけない。お盆シリーズは茅原、吉田に勝っての優勝だった。

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