市川中車ここが正念場 猿之助抜きの「六月大歌舞伎」3日初日 一門の未来守る責任、重圧

[ 2023年6月3日 05:10 ]

2011年、香川照之歌舞伎界入り発表会見に臨む(左から)市川中車、市川團子、二代目市川猿翁、四代目市川猿之助、四代目市川段四郎さん
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 東京都目黒区の自宅で倒れた状態で見つかった歌舞伎俳優の市川猿之助(47)が出演予定だった東京・歌舞伎座の「六月大歌舞伎」(25日まで)が、3日に初日を迎える。正念場となるのが昼の部「傾城反魂香」で主演を務める市川中車(57)だ。

 吃音(きつおん)の絵師と妻の物語で、中車は同じ澤瀉(おもだか)屋の猿之助と夫婦役を務める予定だった。中車が歌舞伎の世界に入ったのは2012年で「歌舞伎俳優としては、まだまだ修業の身」(歌舞伎関係者)。今回の舞台は2人だけの芝居も長く、キャリアのある猿之助のサポートのもと、中車が役者として大きく成長するはずの舞台でもあった。

 年齢は中車が上だが、歌舞伎の世界では猿之助に指導を仰ぐ立場。澤瀉屋関係者は「そんな猿之助さんとの共演だからこそ、今回の大役を中車さんがどう演じるか期待されていた」と語っている。だが、猿之助は休演し、代役は中村壱太郎(32)に。ともに先月28日まで明治座の公演に出演しており、わずかな準備期間で本番を迎えることになる。

 さらに中車にとって心労は絶えない。長男の市川團子(19)の存在だ。澤瀉屋のホープとして一門の未来を担う存在として期待されており、中車が私生活を支えていた一方、猿之助が英才教育を施していた。團子は先月の明治座公演の昼の部で、中1日で猿之助の代役を務め上げ喝采を浴びたばかり。歌舞伎関係者は「中車さんは、自身の芸の研さんに加えて、團子さんをはじめとする一門の未来を守る責任も生まれた。その負担の大きさは計り知れない」と語っている。

 中車にとっては、昨年8月にクラブホステスへの性加害疑惑が報じられて活動休止を余儀なくされ、ようやく歌舞伎俳優として活動が増えてきた中での突然の事態となった。世間の目や周囲のプレッシャーなど重圧はすさまじいが、まずは6月の公演を無事に成功させることが求められる。

 ≪猿之助は今も入院中≫
 猿之助を巡っては、先月18日に病院に搬送された直後から警視庁からの聴取が行われている。同19日には搬送先の病院を退院したが、現在も都内の病院に入院しているとみられる。聴取は24日から本格化しており、今後は自殺ほう助などの罪で逮捕されるかどうかにも注目が集まっている。

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