市川猿之助「生まれ変わろうと家族で話した」 父母と同様、何らかの薬物服用した疑い

[ 2023年5月21日 05:00 ]

市川猿之助容疑者(左)と市川段四郎さん
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 東京都目黒区の自宅で18日に倒れ救急搬送された歌舞伎俳優の市川猿之助(47)が、17日に両親と心中について話し合ったとみられることが20日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁に「前日に死んで生まれ変わろうと家族で話した。両親は睡眠薬を飲んだ」という趣旨の説明をしたという。猿之助は両親と同じく何らかの薬物を服用していた疑いがあり、警視庁は今後、猿之助から事情を聴き、両親が死亡したいきさつなどを詳しく調べる。

 猿之助の警視庁への説明によると、救急搬送される前日の17日、家族会議を開いて「死んで生まれ変わろう」と両親と話し合った。両親が先に睡眠薬を飲んだという。同日は自身のスキャンダルを報じた女性セブンの記事内容が猿之助側に知らされた日だった。

 自身はその後、両親と同じく何らかの薬物を服用した疑いがあり、18日に自宅の半地下で倒れているのがマネジャーによって発見された。口の辺りの変色など薬物中毒とみられる形跡があり、搬送先の病院で胃の洗浄を受けた。

 猿之助と両親は嘔吐(おうと)した状態で見つかった。母の喜熨斗(きのし)延子さん(75)は死後数時間が経過していたとみられ、父で歌舞伎俳優の市川段四郎さん(76)は搬送先の病院で死亡が確認された。司法解剖の結果、2人は向精神薬中毒で亡くなった疑いがある。

 現場検証と家宅捜索では、睡眠導入剤など関連する薬物や容器は確認されていない。警視庁は事件性も視野に入れ、殺人事件などを担当する捜査1課が捜査に当たっている。

 一家心中を図った可能性がさらに高まったとみられるが、今後の捜査の焦点は何か。元東京地検検事でレイ法律事務所の西山晴基弁護士は4つのケースを指摘した。

 (1)両親が自らの意思で薬物を服用 猿之助が仮に、両親が目の前で服用するのを見ていたとしても「飛び降り自殺の目撃者が罪にならないのと同じで、見ていただけの人に罪はない」とした。
 (2)猿之助が両親に無理やり飲ませた これは「殺人罪にあたる可能性がある」という。

 (3)猿之助が両親に飲むように誘導した 自殺の意思がない両親をそそのかすなどして自死に追い込んだ場合は自殺教唆罪に問われ「法定刑は6月以上7年以下の懲役または禁錮」と説明した。

 (4)猿之助が両親の服用を手伝った こちらは自殺幇助(ほうじょ)罪に問われ「法定刑は自殺教唆と同様です」という。

 一方で、一家と親しかった芸能関係者は、延子さんの性格から(2)と(3)の可能性を「ないと思うのですが…」と推測する。「延子さんは、穏やかで物静かな段四郎さんにハッパをかけたり、何でもテキパキとこなすしっかり者できっぷのいい人。何か家族で決断するにしても延子さんが引っ張っていた。猿之助さんが“無理やり”とか“誘導する”というのは考えづらい」と明かした。捜査関係者によると、延子さんは17日に死亡していた可能性がある。警視庁は、段四郎さんとの死亡時刻に差があることについても捜査を進める。


 ○…猿之助の所属事務所は20日、公式サイトで「市川猿之助の現状につきまして、警察ならびに病院にて対応をいただいているものと認識しております」とのコメントを掲載した。また、猿之助の自宅周辺に張られていた警視庁による規制線は、この日までに自宅に続く約30メートルの私道の入り口から自宅前まで移された。自宅周辺を行き交う近隣住民も一様に暗い表情を浮かべ、報道陣の問いかけにほとんどが口を閉ざした。


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