市川猿之助が救急搬送 命に別条なし 父・市川段四郎さん、母・延子さんは死亡

[ 2023年5月19日 04:50 ]

市川猿之助
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 歌舞伎俳優の市川猿之助(47)が18日午前10時15分ごろ、東京都目黒区内の自宅で倒れている状態で発見された。病院に搬送されたが、命に別条はない。一方、同居する両親も倒れていた。発見時に母の喜熨斗(きのし)延子さん(75)は死亡した状態で、意識不明だった父で歌舞伎俳優の市川段四郎さん(76)も搬送先の病院で死亡が確認された。現場の状況から警視庁は猿之助が自殺を図ったとみており、両親の死亡の経緯を含めて調べている。

 午前10時15分すぎ、自宅へ迎えに来たマネジャー2人が倒れた状態の猿之助を発見し、「本人の意識がもうろうとしている」と119番通報した。駆けつけた救急隊が猿之助と、同じく自宅内で倒れていた両親の3人を渋谷区内の病院に救急搬送。救急車3、4台が駆けつけており、近隣住民は「酸素マスクをしてぐったりしたご両親が運ばれていた。猿之助さんも酸素マスクをしていて、意識がなかった」と話した。

 猿之助は2階建ての自宅の半地下にある自室のクローゼット内で発見された。搬送時の呼びかけには反応があり、命に別条はないという。そばの壁に立てかけてあったキャンバスに遺書のような書き置きもあった。親しい知人に宛ててあり、文末は「孝彦」と猿之助の本名で締められていた。警視庁は自殺を図ったとみて調べている。

 一方、両親は2階のリビングの床に仰向けの状態で並んで横たわっていた。発見時、延子さんは既に死亡した状態で、段四郎さんは意識不明だったが、搬送先で死亡が確認された。2人の首から下に1枚の掛け布団がかけられており、外傷はなかった。また、自殺に用いられる練炭や薬物の瓶も近くに見当たらなかった。死因は不明で、警視庁はきょう19日に2人の遺体を司法解剖し詳しく調べる方針。

 猿之助と両親は3人暮らし。マネジャーが訪れた際に自宅の鍵は開いていた。家の中を物色された形跡はなく、第三者が今回の件に関与した可能性は低いとみられる。入院した猿之助は現在、会話ができる状態ではなく、警視庁は回復を待って詳しい事情を聴く方針。

 段四郎さんの長男の猿之助は、1983年に二代目市川亀治郎を襲名し初舞台。12年に四代目市川猿之助を襲名した。歌舞伎界きっての集客力を誇り、この先も立て続けに出演作が控える。今後の歌舞伎界を背負う存在だけに、ファンや関係者の衝撃も大きい。

 現在は東京・明治座で今月3日にスタートした座長公演「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」(28日まで)に出演中。前日17日は休演日で、この日は昼夜の2公演。昼の部は中止、夜の部は配役を変更して上演された。自身の名前を題名につけ、意欲的に臨んでいた公演。それを自ら台無しにする事態を起こしてしまったことに、歌舞伎関係者は「責任感が強い方なので、まだ信じられない」とショックを受けている。

 猿之助を巡っては、この日発売の週刊誌「女性セブン」(小学館)がセクハラ、パワハラ疑惑を報道。関連しているかどうかは分からないが、まずは事情を知る猿之助の回復を待つしかない。

 ◇市川 猿之助(いちかわ・えんのすけ)本名喜熨斗孝彦(きのし・たかひこ)。1975年(昭50)11月26日生まれ、東京都出身の47歳。慶大文学部卒。四代目市川段四郎さんの長男。80年に歌舞伎座「義経千本桜」で初お目見えし、83年の歌舞伎座「御目見得太功記」で二代目市川亀治郎を名乗り初舞台。2012年6月、36歳で四代目市川猿之助を襲名した。故蜷川幸雄さんや三谷幸喜氏の舞台にも出演。07年NHK大河ドラマ「風林火山」で武田信玄を演じた。ドラマ「半沢直樹」(TBS)、映画「ザ・マジックアワー」「超高速!参勤交代」などに出演。血液型O。

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