段四郎さんは「重厚な役も軽妙な役も演じられる名優」 12年に病気をして以来自宅で療養

[ 2023年5月19日 04:50 ]

2011年、香川照之歌舞伎界入り発表会見に臨む(左から)市川中車、市川團子、二代目市川猿翁、四代目市川猿之助、四代目市川段四郎さん
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 亡くなった市川段四郎さんは、2012年に病気をして以来、歌舞伎の舞台から遠ざかっていた。自宅で療養を続けていたとみられ、同居する猿之助が日常生活を支えていた可能性もある。早稲田大演劇博物館の児玉竜一館長は「長らく休養していたが、重厚な役も軽妙な役も演じられる名優だった。大きな損失であり残念でならない」と悼んだ。

 74年に結婚した延子さんは京都出身で友禅図案家の長女。歌舞伎関係者は「控えめであまり表舞台に出る方ではありませんが、静かに日本舞踊をたしなむなど梨園の妻らしい方でした」と話した。

 段四郎さんは、57年に10歳で初代市川亀治郎を名乗り初舞台。69年に四代目段四郎を襲名した。兄の三代目市川猿之助(現市川猿翁、83)がスペクタクルな「スーパー歌舞伎」などで新時代を切り開く中、その一座の副将格として幅広い役を演じてきた。近年は舞台出演がなかったとはいえ、「猿之助」と「段四郎」の2大名跡で歴史を紡いできた澤瀉屋は、大きな柱を失った。

 市川 段四郎(いちかわ・だんしろう)1946年(昭21)7月20日生まれ、東京都出身。三代目市川段四郎と女優高杉早苗さんの次男。10歳で市川亀治郎の名で初舞台。市川團子を経て、69年5月の東京・歌舞伎座「根元草摺引」の曽我五郎で四代目段四郎を襲名。主に兄である当代の猿翁の一座で、副将格として古典からスーパー歌舞伎まで幅広く活躍。古風な芸風で、貫禄ある落ち着いた脇役を得意とした。代表的な役として「俊寛」の瀬尾、「神霊矢口渡」の頓兵衛、「助六」の意休など。

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