大谷亮平 「甘えを正してくれた」韓国映画と超難役 オファー続かず一時は台湾にも…どん底からの復活

[ 2022年11月19日 15:33 ]

俳優の大谷亮平
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 俳優の大谷亮平(42)が18日放送の日本テレビ「アナザースカイ」(金曜後11・00)にゲスト出演。韓国を訪れ、その後の俳優生活にも影響を与えた経験を明かした。

 2004年、23歳の時から12年間、韓国で暮らし、俳優活動していた大谷。有名CMへの大抜てきから始まり、ドラマ出演も果たして知名度は上がったが、ネイティブでないゆえにオファーが続かなかった。「自分でどうこうできる問題じゃない。キャスティングされてナンボ」な世界だけに30歳で岐路にたち、目標を失いかけた。「そのあとすぐに日本に戻るのも考えたんですけど、台湾の事務所からもお話いただいて台湾に行ったりして」と今度は台湾に渡ってCMなどに出演していた。

 そんな中「振り返ると本当にその出会いは大きかった。それがなかったらっていうのは、と思わせられるくらい重要なポイント」という大きな転機となったのが、映画「バトルオーシャン」が国内歴代観客動員数1位を記録するなどヒットメーカーとして知られるキム・ハンミン監督から映画初出演のオファー。

 大谷が出演したのは、韓国で年間興行成績1位を獲得した2011年公開の「神弓」。役柄は「聞こえない、話せないという役で、すべて手話なんです。ただ第六感は優れていて、俊敏でっていうキャラクターで。それを実際に表現する難しさはすごいありました」という超難役だった。

 「ただ頑張って一生懸命やっちゃったんです。でも、監督から言われるのはそうじゃないと。撮影中は本当に考えましたね、頑張って一生懸命やっても、違う、それじゃないっていうことの繰り返しだった」と、求められる芝居との差にもがいて自分の芝居を見失ったという。

 番組ではキム・ハンミン監督とも再会し、旧交を温めた。同監督は「当時の君は少し萎縮していたところがあった。亮平の役は自分を犠牲にして、ボスの代わりに弓にうたれて倒れるシーンがあるんです。その場面の撮影が迫っているのになぜか不安そうにしている。“悩みでもあるのか”と聞いたら、“自分は話せない役だし”というので、思い切り音を出してもいいんだぞと。このシーンは君にとって重要なハイライトシーンなんだからと。持ってるすべてを出し切ってほしいと伝えたら、亮平は何かを感じ取ったんだと思う。あのシーンはものすごくいい物になった」と回想。

 実際、ハイライトだったそのシーンでは、役が憑依したかのように声を絞り出し奇声を挙げてボスを守り、目力を込めた魂の芝居を見せた。大谷は「初めてでした。綺麗にその役に入り込んだっていうのは。言葉ができなくても、存在感とか目で表現できる役があると。自分の甘えを正してくれたなと思います」と、その後の俳優人生にもつながる大きな経験だったという。

 「次(オファー)来るかなという不安はなかった」といい、時を同じくして日本の事務所と出会った。逆輸入俳優として日本で芸能活動をスタートさせ「ようやく日本に慣れてきたというか。この年ですけど、初めての役も多いし、新鮮です」と笑顔。「せっかく行ったからまた(ドラマ出演していた)KBSに出たいし、いつかまた韓国の作品にかかわりたいですね」と原点に立ち返って気持ちを新たにしたようだった。

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2022年11月19日のニュース