渡辺王将 イブの激闘は午前3時前勝利 王将戦前最後の対局は持将棋指し直し

[ 2021年12月25日 05:30 ]

渡辺明王将
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 将棋の渡辺明王将(37)=名人、棋王の3冠=が24日、東京・将棋会館で竜王戦1組ランキング戦の対局に臨み、豊島将之九段(31)と持将棋指し直しの末、107手で勝利した。

 渡辺は来年1月9、10日、静岡県掛川市で、本社主催・第71期ALSOK杯王将戦7番勝負第1局で藤井聡太竜王(19)=竜王、王位、棋聖含む4冠=を迎え撃つ。史上初、3冠対4冠の豪華対決を前に、最後の公式戦を終局が翌25日午前2時57分に及ぶ大熱戦で飾った。渡辺の持将棋指し直しは通算1057局目で6局目の珍事だった。

 24日午前10時開始の対局は豊島の先手で角換わりへ。渡辺の優勢で局面は進み、先に豊島が入王した。

 さらに1分将棋の渡辺も入王し、215手で渡辺が豊島に声を掛けて持将棋が成立した。時すでに午後11時17分。30分後、残り時間の少ない渡辺の持ち時間が1時間になるように豊島にも59分が追加され、1時間6分として指し直し局が始まった。

 入れ替わって先手渡辺で戦型はまたも角換わりへ。ほぼ互角の形勢で進んだ終盤戦、先に渡辺が1分将棋に突入した。歩を巧みに敵陣に打ち付けて包囲網を築く、渡辺得意の細い攻めを結実させ、豊島を投了へ導いた。

 今年「4強」の一角として、藤井らとタイトル戦を戦った両雄による名勝負。対局開始から16時間57分の長い長い1日が終わった。

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2021年12月25日のニュース