喜友名&荒賀の空手漫画注目 魅力知って!連盟自ら公式サイトで異例アピール

[ 2021年8月8日 05:30 ]

「荒賀龍太郎物語」の今谷鉄柱氏が描いた荒賀の銅メダルを祝福するイラスト

 五輪競技に初採用された空手が、7日の男子組手75キロ超級で銅メダルを獲得した荒賀龍太郎(30)らの活躍で注目を浴びる中、選手らを主人公にした漫画が話題になっている。作品は全日本空手道連盟の公式サイトで公開されており、荒賀や、6日の形男子で金メダルの喜友名諒(31)、元世界女王で現在は指導者の宇佐美里香さん(35)が題材になっている。

 スポーツ選手の実録漫画が競技連盟により制作、公開されるのは異例。全空連の岡崎紀創さん(35)によると「五輪を機に一人でも多くの人に空手の魅力を知ってもらうため、無料のウェブ漫画という形を取った」という。

 「荒賀龍太郎物語」は、人気声優の神谷浩史らを起用したボイスコミックも公開中の入魂作。作画は「県庁の星」漫画版などを手掛けたコミカライズの名手・今谷鉄柱さん。ピンチでも守勢に回らず攻めまくる“荒賀スタイル”と「スピードドラゴン」と呼ばれる速攻の原点を描く。今谷さんはスポニチ本紙に直筆イラストを寄せた上で、「頂点を目指してこられて、ご本人は悔しいと思いますが攻める姿勢を貫いた試合。感動しました。銅メダル素晴らしいです」と、荒賀を称えた。

 「喜友名諒物語」は、集英社ウルトラジャンプで連載されている女子高生空手漫画「瞬きより迅(はや)く!!」のふなつかずきさんが担当。喜友名の金メダルに「信じてましたが、何が起きるか分からない大舞台で圧巻の演武、本当に心打たれました。涙が止まりません」と感動のコメントを寄せた。

 全空連による漫画化の背景には、東京五輪後への強い危機感がある。空手は悲願の五輪種目採用を果たしたが、次の24年パリは落選と厳しい状況にある。28年ロスで再採用を目指すためには、今大会の盛り上がりが大きな意味を持つ。岡崎さんは「ここまで漫画は順調に読まれている。選手の活躍でさらに閲覧数を稼ぎ、空手に興味を持つ人が増えてほしい」と期待している。

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