「おかえりモネ」菅原小春“静のドラマ”に躍動感!情熱のパラアスリート体現「いだてん」に続くハマり役に

[ 2021年8月8日 05:00 ]

連続テレビ小説「おかえりモネ」で朝ドラ初出演を果たした菅原小春(左)。車いすマラソンの選手・鮫島を熱演(C)NHK
Photo By 提供写真

 世界的ダンサーの菅原小春(29)がNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)で朝ドラ初出演。今週第12週(8月2~6日)からスタートした「東京編」の「スポーツ気象パート」で情熱のパラアスリート役を熱演し“静のドラマ”に躍動感を生んでいる。演技初挑戦となった2019年の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」でも日本人女性初の五輪メダリスト・人見絹枝役。図ったように東京五輪期間中にアスリート役が続いたが、再び身体能力を生かしたハマり役になりそうだ。

 <※以下、ネタバレ有>

 女優の清原果耶(19)がヒロインを務める朝ドラ通算104作目。清原とタッグを組んだNHK「透明なゆりかご」やテレビ東京「きのう何食べた?」などで知られる安達奈緒子氏が手掛けるオリジナル作品。朝ドラ脚本初挑戦となった。タイトルにある「モネ」は主人公・永浦百音(ももね)の愛称。1995年に宮城県気仙沼市に生まれ、森の町・登米(とめ)で青春を送るヒロイン・百音が気象予報士の資格を取得し、上京。積み重ねた経験や身につけた技術を生かし、故郷の役に立ちたいと奮闘する姿を描く。

 菅原が演じるのは、車いすマラソンの選手・鮫島祐希役。第58話(8月4日)で初登場した。

 28歳の鮫島は「T54クラス」(腰から上が機能し、体幹のコントロールが可能)に属し、競技用車いす(レーサー)を使って腕の力だけで42・195キロを走り切る。2012年東京湾マラソン、13年ロンドンシティマラソン、14年別府国際車いすマラソンと優勝。16年リオデジャネイロパラリンピックは最終選考当日の天気を読み違え、熱中症に。確実視された代表入りを逃した。

 東京パラリンピック代表を目指し、スポーツ気象にこだわる百音の上司・朝岡(西島秀俊)にサポートを依頼。来月の選考会で標準タイムを切れば、強化指定選手に。百音たちは「チームサメジマ」として、選考会当日の気象状況に合った鮫島のフィジカル面の改善を図ることになった。

 菅原自身は千葉県出身だが、鮫島は関西弁。明るく、負けん気の強い豪快なキャラクターを好演している。そして、その身体能力がアスリート役に説得力とリアリティーを与える。第59話(8月5日)、車いすを漕ぐ練習シーン。汗がほとばしる菅原の背中や三角筋が映し出された。SNS上にも「菅原小春さんは動いてるだけで感動に値するなぁ」「菅原小春さん、パワーの塊のような方で、鮫島さんのキャラにピッタリ」「それにしても、気迫を演じる菅原小春さんの肉体表現の説得力、凄いな」「この役のために鍛えたであろう上半身の美しいこと…。ダンスだけじゃないんだな。天性の表現者だ」「菅原小春さんの演技はホントに引き込まれる。『いだてん』の『男は負けても帰れるでしょう。でも女は帰れません』のところ、気付いたらボロボロ泣いてたもん」などと絶賛の声が相次いだ。

 制作統括の吉永証チーフプロデューサーも「菅原さんなら、アスリートの雰囲気を出していただけると思いました」と起用理由を明かした。

 今作はヒロインの百音をはじめ、登場人物たちの心の機微を丁寧に描くのが特徴。いわば“静のドラマ”だが、菅原が体現する魅力的な“動のキャラクター”が加わり、ストーリーや画に躍動感が増してきた。選考会に向け、さらにエネルギッシュな展開になりそうだ。

 菅原は18年大みそかの「第69回NHK紅白歌合戦」で、初出場のシンガー・ソングライター、米津玄師(30)とコラボレーション。米津が「Lemon」歌唱中にダンスを披露し、大反響を呼んだ。そして、19年には大河ドラマ「いだてん」で演技初挑戦。女子陸上が正式種目となった1928年アムステルダム五輪を描いた第26話「明日なき暴走」(7月7日)。国内予選を席巻した人見絹枝(菅原)はプレッシャーに押しつぶされ、期待の100メートルに惨敗。未経験の800メートルへの挑戦と銀メダル獲得は、視聴者の感涙を誘った。

 当時、菅原は「スキルもテクニックも、すべてを削いでいったら、魂だけになるようなところはダンスと同じだなと思いました」。再び“魂の熱演”が注目を集めそうだ。

続きを表示

2021年8月8日のニュース