萌寧 銀メダルの源は「そうめん入り味噌汁」拠点ゴルフガーデンの“第2の父”が手作り

[ 2021年8月8日 05:30 ]

稲見がよく食べる朝食メニュー(右下がそうめん入り味噌汁)
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 東京五輪女子ゴルフ稲見萌寧(22)の銀メダル獲得に“第2の父”はうれし涙を流した。稲見が小学5年の時から拠点にしている千葉・北谷津ゴルフガーデン社長の土屋大陸(ひろみち)さん(67)は厳しいまなざしで試合を見守っていたが、銀メダルを懸けたプレーオフを制すと両手を高く上げ喜びを爆発。「11年間ずっと見てきて、娘みたいに可愛い。戻ってきたら“おめでとう”って抱きしめてあげたい」と言葉を詰まらせた。

 小学生の時から「家から2合分の白米を食品保存容器に詰めて持ってきていた」という食いしん坊の稲見。北谷津を拠点にし始めた当初は、東京から通いで練習。中学入学前には近隣に家族で引っ越し、1日6時間の練習を当たり前にこなすゴルフ漬けの日々。土屋さんは努力を間近で見てきたからこそ「何かしてあげたい」という思いで、8年ほど前から練習前後の朝食を手作りで準備。稲見のお気に入りは「そうめん入り味噌汁」だという。

 「いつも白米を山盛りで出して、味噌汁にそうめん入れたらかさ増しになるかなと思って入れてみた。思いのほかうけて今では入ってないと少しさみしそうな顔をします」

 他にも好物はさけの塩焼きや納豆、梅のおにぎり。稲見と会話をしながら、その日の体調やおなかのすき具合によって、あり合わせの炒め物を作ることもある。「一般のお客さんにも味噌汁を提供するけど、そうめんを入れるのは萌寧だけ。そんなに好きなら、飽きるまで入れてやろうと思います」。愛情のこもった手料理が、稲見の力になっている。

 延期がなければ、日本勢4番手だった稲見に五輪切符はなかった。その後シーズン6勝を挙げて代表権を獲得。今年6月以降は勝利から遠ざかり、浮き沈みの激しい期間を過ごしたが、土屋さんはどんな時も変わらず寄り添った。「ここに来ると“ただいま”って言うから“おかえり”って返します。萌寧にとって、いつまでも安心できる場所であり続けたい」。日本ゴルフ界に新たな歴史を刻んだ“娘”の凱旋を、今か今かと待ち望んでいる。

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