王将戦第6局第1日のポイント “研究成果”見せた永瀬の△8六歩~△8七角 

[ 2021年3月14日 05:30 ]

スポニチ主催 第70期王将戦7番勝負第6局第1日 ( 2021年3月13日    島根県大田市・さんべ荘 )

王将戦・A図
Photo By スポニチ

 【第1日のポイント関口武史】

 第6局は、永瀬の趣向で馬をつくる展開となったが、渡辺の柔軟な対応により初日の午後に千日手が成立。指し直し局は渡辺の先手、第5局を踏襲するように淡々と指し手が進んでいく。

 5局目は永瀬の誘導に乗る形ではあったが、本局も渡辺は▲4五桂(A図)と敢然と戦いを挑む。代えて▲7八金△6四銀▲4七銀と穏やかに指す手順も有力だったが、第63期の7番勝負時に自身が揮毫(きごう)し、対局室に飾られた「勇躍」の文言を体現するかのような方針で挑む。

 本日のポイントとなる一手だ。どちらが先に手を変えるか注目されたが、△8六歩(32手目)~△8七角(36手目)と5局目に勝利した永瀬が変化し、研究の引き出しの多さを披露。5局目から別れを告げ、永瀬は馬を主張点とする。

 渡辺の桂跳ねで始まった戦いは▲1五歩(41手目)でさらに戦線が拡大。乱戦から激戦へ流れは勢いを増す。(スポニチ本紙観戦記者)

続きを表示

この記事のフォト

2021年3月14日のニュース