直木賞に西條奈加さん「心淋し川」 「私にしては地味な作品での受賞」「驚きもあった」

[ 2021年1月21日 05:30 ]

第164回芥川賞に決まり、写真撮影に応じる宇佐見りんさん(右)と直木賞に決まった西條奈加さん(日本文学振興会提供)
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 第164回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が20日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は宇佐見りんさん(21)の「推し、燃ゆ」(「文芸」秋季号)、直木賞は西條奈加さん(56)の「心淋(うらさび)し川」(集英社)に決まった。

 直木賞は西條奈加さん(56)の「心淋し川」に決まった。会見では「全く身近に感じられなかったもの。いざ(賞を)獲ってみて光栄であるが、どうしたらよいんだろうと不安の方が多い」と明かした。江戸で懸命に生きる無名の人々を描いた短編集。

 同作での受賞に対し「もうちょっと滑稽なものも書くので私にしては地味な作品での受賞。驚きもありましたがうれしい」と喜んだ。選考委員の北方謙三さんの「欠点がないのが欠点」という講評に対しては「バランスの良いという評価をされるのは長所でもあり短所でもあると思う」と納得の様子。今後に向けては「3、4年先までは仕事を頂いているので大体書くものは決まっているが、毎作何らかの挑戦をしていけたら」と語った。

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2021年1月21日のニュース