芥川賞に宇佐見りんさん「推し、燃ゆ」 史上3番目の年少21歳8カ月で受賞「胸がいっぱい」

[ 2021年1月21日 05:30 ]

第164回芥川賞に決まり、写真撮影に応じる宇佐見りんさん(右)と直木賞に決まった西條奈加さん(日本文学振興会提供)
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 第164回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が20日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は宇佐見りんさん(21)の「推し、燃ゆ」(「文芸」秋季号)、直木賞は西條奈加さん(56)の「心淋(うらさび)し川」(集英社)に決まった。

 「芥川賞」は宇佐見りんさん(21)の「推し、燃ゆ」が選ばれた。候補だったロックバンド「クリープハイプ」のボーカル、尾崎世界観(36)の「母影(おもかげ)」は惜しくも受賞を逃した。宇佐見さんは21歳8カ月での受賞で、綿矢りささん(36)、金原ひとみさん(37)に継ぐ史上3番目の若さ。会見では「胸がいっぱいです。まだ頭が追いついていません」と喜んだ。「推し、燃ゆ」は、アイドルの追っかけに熱中する女子高生を描いた作品。自身の“推し”について問われると「名前は控えますが8年間くらい推している俳優さんがいます」と初々しい笑みを浮かべた。

 なお尾崎は事前のインタビューで、自身を小説家として「偽物」と表現していた。「これからも偽物として本気で頑張っていきたい」と、今後も歌と活字でメッセージを届けていくことを誓った。

 《芥川賞 過去には又吉や辻仁成》過去に芥川賞を受賞したミュージシャンやタレントに1996年「海峡の光」の辻仁成(61)、15年「火花」の又吉直樹(40)がいる。お笑いコンビ「ピース」の又吉は、芸人として史上初の受賞となった。最近では、社会学者でテレビのコメンテーターとしてもおなじみの古市憲寿氏(36)が18年「平成くん、さようなら」、19年「百の夜は跳ねて」で2度候補となっている。

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