朝ドラ「おちょやん」若村麻由美 「私は怒鳴りまくってばかり」

[ 2021年1月21日 08:45 ]

NHK連続テレビ小説「おちょやん」で山村千鳥を演じる若村麻由美(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】女優の若村麻由美(54)が、NHK連続テレビ小説「おちょやん」で、主演の杉咲花(23)と相性の良い芝居を見せている。

 若村が演じる山村千鳥は、女性劇団の座長で、主人公・千代(杉咲)の最初の師匠。今月8日の放送で、劇団員が提案した芝居をめぐり、千代と激しく対立する場面があった。

 千鳥が「さっさと出て行きなさい!」と怒鳴ると、千代は「そやな。ほな、そないさせてもらいます」と逆ギレ。ぼうぜんとする千鳥に対し、千代は言いたいことを言い続け、最後に「お世話になりました。いや、お世話しましたあ~!」と捨てぜりふを吐いた。この時の千代は目と口を大きく開き、怒気に満ちていて強烈。杉咲の奥底に潜んでいた未知の領域を、若村が引っ張り出したような印象だった。

 若村は「杉咲さんは笑顔もとてもかわいいんですけど、キリッとした顔もとても良い。しかられたり嫌なことをされた時、キッと見返す顔が実に良いです」と指摘する。

 杉咲との共演は今作で3回目。過去には2012年のドラマ「レジデント~5人の研修医」、19年のドラマ「ハケン占い師アタル」で、いずれも母娘役だった。

 若村は「今回は師匠と弟子。千鳥は厳しい師匠ですが、千代も強くて負けていない。千代は小さい頃に苦労しているから、たくましい精神力が備わっています。人間力は千代の方があるのかもしれません」と説明する。

 千鳥は激しい性格の持ち主。稽古では、意に沿わない芝居をする劇団員に対し、手当たり次第に物を投げつけ、厳しい言葉を浴びせかける。今月7日の放送では、「あんた、赤ん坊以下」とののしっただけでは収まらず、「生まれ直して来なさい!」と不条理な言葉をぶつけた。関係者によると、このセリフは若村のアドリブだという。

 千鳥が劇団員をしかり飛ばす時のテンションの高さは、途中で卒倒するのではないかと思うほど。千鳥と千代の激しい対立場面(今月8日放送)での杉咲の怪演も、そこに至るまでの若村の異様なほどの熱演を、杉咲が目の当たりにして来たからこそ、生まれたのではないかと思う。

 若村の朝ドラ出演はヒロインを演じた「はっさい先生」(1987年)以来、4作目。そのうち「半分、青い」(2018年)を除く3作がNHK大阪の制作。若村は「『純と愛』(12年)の時もそうですが、なぜかNHK大阪に戻ると、私は怒鳴りまくってばかりです」と笑った。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。

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2021年1月21日のニュース