映画業界にも波及する吉本騒動 声優としても高評価だった宮迫、加藤の動向は…

[ 2019年7月30日 18:45 ]

「雨上がり決死隊」の宮迫博之
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 吉本興業の騒動がなかなか収束せず、謹慎芸人が出演していたテレビ番組では代役探し、内容差し替えに追われている。一連の騒動は、実は、映画業界にも及んでいる。

 「吉本のタレントさんはみんな芸達者。映画のプロモーションを頼むと本当に熱心にやってくれます。出演するテレビ番組で映画の話をしてくれたりと、宣伝効果も高かった。でもいまはちょっと空気感が…。イベントに出てもらっても、どうしても話が騒動の方に行ってしまうので」。洋画の宣伝会社の関係者は話す。

 雨上がり決死隊の宮迫博之は大ヒットしているマーベル映画「アベンジャーズ」シリーズで、矢の名手ホークアイの日本語吹き替え声優を担当している。今春公開された「アベンジャーズ/エンドゲーム」でもホークアイを演じている。公開中に闇営業問題が明るみにでた。結局、配給のディズニーは差し替えなどの措置はとらなかったが、洋画業界内ではどう判断するかに注目が集まっていた。

 吉本の芸人は、声優としての技量も評価されている。日本語吹き替え版の製作関係者は「もちろんプロの声優ではありませんが、舞台で鍛えられているので感情表現が豊か。声色もいろいろ出せて。こちらの要求にも快く答えてくれる」と話す。特に宮迫は「吉本の中でも“声優の代表選手”と言ってもいいほど上手だった」という。

 “加藤の乱”で注目を集める極楽とんぼの加藤浩次は、やはりマーベルの人気シリーズ「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」で、口の達者なアライグマのキャラクターを吹き替えている。「“狂犬”の異名をとる加藤さんにぴったりの役。宮迫さんと同様、業界内ではとても好評」(配給関係者)という。「ガーディアンズ…」は第3弾が来年にも撮影が始まる。「大作の重要なキャラクターの声は観客の脳裏に残っています。製作サイドとしては、なかなか替えづらい。公開が迫っているわけではありませんが“吉本を辞める”とまで言った加藤さんの動向は気になります」(同)と気をもんでいる。

 吉本は仕事を依頼すると「では何人かまとめて派遣しましょうか、というかんじで話が進むことがある」という。昨年公開され大ヒットしたミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」がこのケース。チュートリアルの徳井義実をメインに、トレンディエンジェル、しずる、ピスタチオ、南海キャンディーズしずちゃん、椿鬼奴ら20人近くが集まり、映画のクライマックスシーンのダンスを再現。ユーチューブでも公開され話題を集めた。「吉本の芸人さんは結束力もあって、集まると爆発力が凄い。仲間意識が強い。これは他の事務所とちがうところ」という。

 7月30日付のスポニチ紙面では、一連騒動に関して「吉本芸人が一枚岩になりつつある」と報道。「映画、特に洋画のPRでは、いまや吉本の芸人さんは欠かせない。早く落ちついて欲しいと願っています」。映画関係者も連日の報道を追っている。

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2019年7月30日のニュース