「ラジハ」窪田正孝“月9”影響力痛感「HERO」監督演出「しっくり」“顔芸”も炸裂「人間味を」

[ 2019年5月13日 10:00 ]

窪田正孝インタビュー(上)

月9「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」の主演を務める窪田正孝(C)フジテレビ
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 俳優の窪田正孝(30)がフジテレビ「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」(月曜後9・00)で看板枠“月9”に初主演。放送も折り返しに差し掛かったが「“月9”の影響力の大きさは痛感しました」と肌で感じている。同局「HERO」シリーズなどで知られる同局・鈴木雅之監督と初タッグ。集団劇の中に身を置き「1人のキャラクターとして作品の一部になってくことが一番の理想」と新しい主役の在り方に挑んでいる。

 原作は青年誌「グランドジャンプ」(集英社)で連載中の同名コミック(原作・横幕智裕、漫画・モリタイシ)。主人公の放射線技師・五十嵐唯織(窪田)らが患者の“視えない病”を見つけ出し、命を救う姿を描く。脚本は同局「好きな人がいること」「刑事ゆがみ」「グッド・ドクター」などの大北はるか氏。演出は「29歳のクリスマス」「王様のレストラン」「ショムニ」や映画「HERO」「マスカレード・ホテル」など数々のヒット作を生んだ鈴木監督ら。

 窪田の“月9”出演は2013年7月期「SUMMER NUDE」以来、約6年ぶり。今回は“平成最後にして令和最初の月9”ということもあり、放送前の取材で“月9”に関する質問が相次いだ。「“月9”だからこうしよう、ああしようみたいなことも特にない「作品に大きいも小さいもない」と気負いはなかったが、視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は初回12・7%以降、好調に推移。反響は大きく「たまたま見てしまった(SNSの)タイムラインに『ラジハ』のことがものすごく出てきたり。分かりやすく言えば視聴率の話題がすごく露見したり、“月9”の影響力の大きさは痛感しました」と実感。「ただ、数字どうこうというよりは、1人のキャラクターとして作品の一部になっていくことが一番の理想なので」と目の前の演技に集中している。

 今回は「楽しみにしていました」という鈴木監督との初タッグ。「HERO」も連想される、本田翼(26)広瀬アリス(24)山口紗弥加(39)遠藤憲一(57)らとの集団劇の演出も冴え渡っている。「普通なら主人公の顔の寄りを抜いたりすることが多いのですが、監督はチームとしての撮り方をすごく工夫されていて。自分としては、今までとは違う主役の見せ方をしてみたいという理想があったので、監督の演出はすごくしっくり来ました」

 「ここから院長がお茶キャラになったんです(笑)」という第2話(4月15日)の冒頭。院長・大森渚(和久井映見)から「本当に放射線科医として働く気はないの?」と聞かれた唯織が「ここでは、あくまで(放射線)技師ということでお願いします。医師免許を取ったのも、技師として働く上で病気のことを深く知っておいた方がいいと思ったからです」と答えるシーン。渚が淹れたお茶に、唯織は1口目「これ、まずいですね」、2口目「まずいなぁ」、3口目「まずかった」と連発した。

 当初、台本に「まずい」の連呼はなく「テストでも2口目とかは『にがい』だったんですが、監督が『“まずい”外の言葉はじゃなく、敢えて“まずい”で通してくれ』と。唯織があくまで技師として働きたいという本筋と並行して、ちょっと寄り道するような会話を入れるのが素晴らしいと思いました」と明かした。

 「監督ご自身はシャイな方だと思うんですが、いくら『こういう作品にしたい』とか『こういうふうに演じたい』と口で説明しても、形として実現しないじゃないですか。監督は『まずは動いてみて、芝居の中で作り上げる』というタイプで、僕もそっち側の人間。クランクインがバスの最後尾で唯織が揺れている第1話のシーンだったんですが、監督の撮り方がすぐ分かったので、最初から『鈴木監督、めちゃくちゃ好きだ』と思いました」

 第4話(4月29日)のラストには、片思いしている幼なじみの放射線科医・甘春杏(本田)からお礼を言われたことを思い出し、鼻の下を伸ばす“顔芸”も。「言い方は変かもしれませんが、杏ちゃんのことを考えている時は唯一、唯織の遊べる部分といいますか。タブレットを見て診断しているので彼のキャラクターが伝わりにくいですし、ただの天才技師になってしまうのが嫌なので彼の中の人間味を表現したいと思っています」と硬軟自在に体現している。

 13日は第6話を迎え、3カ月の長丁場も後半へ。好相性の鈴木監督と充実の撮影が続く。

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2019年5月13日のニュース