関西大学野球リーグ

【近畿学生野球のキーマン】和歌山大・船引 掲げた目標は「5勝」 昨春の悔しさを成長につなげる

[ 2023年3月31日 03:30 ]

和歌山大・船引駿平

 止まった時間は、自らの力で動かす。最上級生となった和歌山大の左腕・船引駿平は貪欲に「勝ち」にこだわる。

 「自分が投げる試合は絶対に勝つ。5試合先発すれば(チームとして)5勝」

 忘れることはできない。昨年6月の全日本大学野球選手権1回戦で近大と対戦。1点リードの6回無死一、二塁から救援登板。1死後、代打・東原成悟に真っすぐを左翼席に逆転3ランを運ばれた。2年春のリーグ戦初登板から被弾ゼロ。「小学生のころに打たれた記憶しかない」と振り返る一発を全国デビューの舞台で食らい「頭が真っ白になった」ダメージは相当だった。

 昨秋は教育実習のため、リーグ戦出場自体がかなわず。チームも4位に終わり、全国の舞台に戻ることはできなかった。

 オフは「成長できる期間」と自らに言い聞かせ、トレーナー指導の下、体づくりにも再着手。つらい練習に気持ちがなえる時もあったが、そんな時は必ず「屈辱の動画」を見て己を奮い立たせた。食育トレーニングとウエートトレーニングなどもあり62キロだった体重は71キロまで増加。「平均して強い球がいくようになった」と手応えを感じている。

 春季リーグに限ればチームは21、22年と優勝しており“3連覇”がかかる。1学年後輩で同じ左腕の島龍成らとともに主戦を務める春。「チームに勢いをつけられれば」。全国の借りは全国でしか返せない――。左腕を振れば振るほどに、リベンジの時は近づく。 (吉村 貢司)

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