【関西学生野球のキーマン】京大・平山　金丸擁する関大と開幕戦　屈指の「左腕撃ち」で金星再現だ

京大・平山統

　京大が生まれ変わろうとしている。リーグ通算6勝の絶対的エース・水江日々生が卒業して迎える今季。正一塁手の平山統（4年）は「これまでは水江さんに頼りすぎていた。今年は新しい一面を見せられると思う」と打ち勝つ野球を掲げる。

　打線の活性化には平山の復活が欠かせない。昨春の関大との開幕戦に「6番・三塁」で先発し、リーグNo・1左腕の金丸夢斗から中前打を放った。昨秋に無安打無得点試合を達成した立命大の谷脇弘起からは1試合2安打。主戦投手を苦にしない対応力が持ち味だ。

　しかし、昨秋は開幕4試合で11打数1安打と不振に陥り、3節目以降は先発を外された。「春の打撃を継続するだけでは、上に追いつけない」。今冬は体重を4キロ増の75キロに増量。陸上部から助言を得て、瞬発力を高める練習を導入するなど打撃修正に取り組んだ。

　福岡県内屈指の進学校・東筑出身。しかし高2までの成績は、京大合格圏外だったという。転機は高3時のコロナ禍に訪れた。春夏ともに甲子園大会が中止になり、「高校で野球を辞めるつもりだったけど不完全燃焼だった。京大に行けば最高峰のリーグで野球ができると考えた」と猛勉強して京大に現役合格した。現在のチームでは持ち前の打力だけでなく、ムードメーカーの役割も担っている。

　「金丸君と対戦できるなんて、すごい経験」。昨春の開幕戦は金丸が先発した関大相手に勝利した。今春の開幕戦の対戦相手も同じ。金星再現で、これ以上ない好発進を決める。

　　◇平山　統（ひらやま・わたる）2003年（平15）1月26日生まれ、福岡県北九州市出身の21歳。小4から池田スラッガーズで野球を始めて投手と捕手。木屋瀬中では軟式野球部に所属。東筑では2年春に背番号19でベンチ入りし、同秋から背番号6。京大では今年から副主将を務める。50メートル走6秒4。1メートル76、75キロ。右投げ右打ち。