カージナルス・ヌートバー「打球が抜けてハッピー」 逆転勝利に貢献 試合前には正尚と談笑

[ 2023年5月13日 22:16 ]

逆転のホームを踏み、2ラン本塁打を打ったゴーマンを祝福するヌートバー(左)(AP)
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 カージナルスのラース・ヌートバー外野手(25)が12日(日本時間13日)、敵地ボストンでのレッドソックス戦に「8番・右翼」で先発出場し、3打数2安打1四球2打点だった。2本の同点適時打を放ったヌートバーはチームの8-6での逆転勝ちに大きく貢献。打率も3割台(.302)に乗せてきた。

 侍ジャパンのリードオフマンらしいヌートバーの働きだった。1点を追う9回無死二塁。10日に史上6人目の通算400セーブを挙げたばかりの守護神ジャンセンの96マイル(約154キロ)のカットボールをとらえると、鋭い打球が中前に転がった。「走者を三塁に進めたかった。2ストライクを取られたけど、右翼方向に打って仕事を果たしたかった。打球が抜けてハッピーだった」というヌートバーは一塁ベース上でガッツポーズを見せ、雄叫びを上げた。

 直後、積極的な盗塁が捕手の悪送球を誘発して三塁まで進むと、ゴーマンの2ランで逆転のホームイン。この日、敵地での劇的な勝利は、6回にもその時点で同点となる左翼線適時二塁打を放ち、得意の“ペッパーミルパフォーマンス”も見せるなど、縦横無尽のプレーで魅せたヌートバーの活躍がなければあり得なかった。

 過去8戦では打率.467(30打数14安打)、3試合連続打点と絶好調。打率も3割を超えたが、「それは素敵だが、それについて考えているわけではない」と一蹴した。それよりも心は開幕から出遅れたチームとともにある。ここにきて直近の5戦中4勝と上り調子のカージナルスに、「多くの不運に見舞われ、あれが長く続くのは不可能だと思っていた。いつか流れは変わる。勝っている時は容易にエナジーが出るもの」と思わず表情を崩した。

 試合前には、侍ジャパンでチームメイトだった吉田ともWBC以来の再会を果たした。「特別な選手」と評する吉田の打撃練習中に帽子を取って近づき、約3分ほど談笑。その場でも吉田に打撃の適応について尋ね、「彼が話してくれることはなんでも吸収する。翔平、誠也もだけど、彼らは本当にいい選手だから何でも学びたい」と向上心は止まるところを知らない。

 「僕たちはあの(優勝の)瞬間をシェアしたから、彼らに会えるのはとてもクールなことだ」。WBCで貴重な経験を積み、日本の心を胸に成長を続ける好漢。このままメジャーでも充実したシーズンを過ごす可能性は高そうだ。(杉浦大介通信員)

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