阪神・近本に夢見たサイクル 初快挙ならずも「神様ありがとう」3安打、盗塁、好守備で連勝貢献

[ 2023年5月13日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神6―3DeNA ( 2023年5月12日    甲子園 )

<神・D>3回、桑原の飛球を好捕する近本(撮影・岸 良祐)
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 阪神・近本へ向けた「ホームランコール」が甲子園を支配した。スタンドインなら新人だった19年オールスター以来、レギュラーシーズンでは初のサイクル安打を達成。6回、そして8回の打席で期待は打席にも伝わっていた。

 「周りにもめっちゃ言われてました。ホームランコールなんて、そんなにないので、しっかり聞いてました」

 3本の長短打がファンの夢を膨らませた。しかも2連勝にも貢献。気持ちのいい夜になった。

 いつも冷静に、そして客観的に自分と試合を見ている近本が「神様ありがとう」と感情を口にした。逆転した2回、なお2死二塁。遊撃後方に打ち上げた打球が関根と京田が見失い、間にポトリと落ちる幸運な「左前」への適時二塁打。「薄暮の時間には僕の立場でもありえること。ただただ、ありがとうの思いしかなかった」。教訓としても受け止めた。直後の3回は逆に桑原の左中間への打球をダイビングキャッチ。「あれは本当に難しい。ヤギ(青柳)さんのときはああいう打球が来る。何とか捕ろうと思っていた」。野球の神様に最高のプレーで感謝を示した。

 4回には中堅右へ。飛び込んだ桑原のグラブをかすめてリーグ最多6本目の三塁打とした。4月29日のヤクルト戦以来4度目の猛打賞。5月の月間打率1割台から再び上昇へ転じた。初回には3個目の盗塁にも成功。盗塁企図は5回目で、初回は今季初めて。「全然してないんで、盗塁って難しいなと思っている」という表現で意欲を示した。走攻守すべてで勝利のためにベストを尽くす。それが近本の信条だ。(鈴木 光)

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