巨人1日で最下位脱出 中山が世界一の同級生・高橋宏撃ちV打 原監督「今、我が軍に必要」

[ 2023年4月16日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人6-2中日 ( 2023年4月15日    バンテリンD )

<中・巨>2回、先制適時打を放ちガッツポーズする中山(撮影・尾崎 有希)
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 世界一の同級生撃ちだ。巨人・中山礼都内野手(21)が15日、中京大中京(愛知)の同期でWBCでも活躍した中日・高橋宏斗投手(20)から決勝点となる先制の中前適時打を放った。2安打してチームの連敗を3で止めることに貢献。負ければ球団初の両リーグ最速10敗単独一番乗りという危機を、名古屋出身の若武者が救い、1日で最下位を脱出した。

 地元・名古屋で、目の前には同級生。意識せずにはいられなかった対決を、中山は思いきり楽しんだ。

 「僕らの地元で対戦できて、凄く楽しかった」。昨年5月、東京ドームでの2打数1安打に続くバンテリンドームでの初対戦は、0―0の2回無死満塁で訪れた。渾身(こんしん)の直球に負けじとフルスイング。1ストライクからこの日最速の156キロを中前にはじき返した。「高校の時とは全然違う真っすぐだと思う。それを捉えられた」。先制打に一塁上では何度もガッツポーズを繰り返した。

 「宏斗を見てもっと上に行ってやろうという思いは強い。本当に刺激をもらえる存在」

 高校では2年秋に明治神宮大会優勝など、新チーム結成後公式戦28試合無敗。コロナ禍で甲子園は春夏ともに中止されたが、間違いなく世代最強のチームを2人で投打にけん引した。オフには食事し、右腕の登板前には連絡を取り合うなど、絆も固い。このカードで談笑する2人はおなじみの光景だ。WBCで世界一に貢献した高橋宏を「驚きはない。凄く考えて野球をしている」と素直に尊敬。「投げる時は気になるし、負けたくないという気持ちは常にある」と原動力の一つだ。

 レギュラー獲得を狙う21歳が、負ければ球団初の両リーグ10敗単独一番乗りという屈辱の危機を救った。9回先頭ではダメ押しにつなげる2本目の安打で出塁。原監督も「今日は中山でしょう。彼のように詰まっても体勢崩れても、というのは、今、我が軍に必要」と絶賛した。

 「同級生対決で、いろいろな知り合いの方が見てくれていると思う。僕もしっかり結果を残せるように」と中山。定位置をモノにして、何度でも――。2人のライバル絵巻はまだ始まったばかりだ。(小野寺 大)

 ◇中山 礼都(なかやま・らいと)2002年(平14)4月12日生まれ、名古屋市出身の21歳。中京大中京では1年夏からベンチ入りし、2年秋にエース高橋宏とともに明治神宮大会優勝。3年時はコロナ禍で春夏甲子園とも中止も、新チーム結成から公式戦28戦無敗だった。20年ドラフト3位で巨人入団。名前の由来は元マリナーズ・イチローら右翼に超一流選手が多いという理由から。1メートル82、82キロ。右投げ左打ち。

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