カブス・誠也 復帰即1号!WBC辞退の無念吹き飛ばす逆襲号砲 黒田先輩の激励にも応えた

[ 2023年4月16日 02:30 ]

ナ・リーグ   カブス8-2ドジャース ( 2023年4月14日    ロサンゼルス )

<ドジャース・カブス>8回、今季1号となるソロを放ちナインに迎えられる鈴木(撮影・光山 貴大)
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 左脇腹を痛め負傷者リスト入りしていたカブス・鈴木誠也外野手(28)が14日(日本時間15日)、敵地でのドジャース戦に「4番・右翼」として今季初出場。4打席目の8回に今季1号ソロを放ち復帰初戦に花を添えた。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場できなかった悔しさを糧に挑むシーズン。広島時代の先輩で元ドジャース・黒田博樹氏(48=広島球団アドバイザー)からの激励にも応えた。

 フォロースルーの大きい豪快なスイングが何よりの証だった。3打席無安打で迎えた8回。左脇腹痛から復帰した鈴木が、渾身(こんしん)の一発を放った。右腕ジャクソンが投じた2球目の95マイル(約153キロ)の内角直球に反応。振り抜きをよくするため0・5インチ(約1・3センチ)短くした新バットも奏功し、飛距離406フィート(約123・7メートル)の特大1号ソロを左翼席中段へ突き刺した。

 「よく覚えてないです。うれしいのはうれしいですけど、前後の打席が良くなかった。まだ、たかが1本なので」

 試合後は笑顔なく反省の言葉を並べたが、待ち焦がれた舞台だった。開幕12戦目での今季初出場。試合前には「うれしい。いつかこういう日が来ると信じていた。1年目とは違う期待を持たれていると思うし、とにかく、やってやる」と感慨に浸った。フリー打撃前の入念なストレッチは従来なかったもの。そんな4番打者の切なる思いを共有するように、描かれた放物線にナインは歓喜し、地元放送局のアナウンサーは「ウエルカムバック・セイヤ」と叫んだ。

 「WBCの辞退は凄く悔しい思いがあった。時間がたくさんあったので、無駄にしないよう一日、一日をやってきました」

 メジャー2年目の今季は、悔恨の2文字を糧に挑む。頭の中はWBC一色だったキャンプインから5日後の2月25日に、左脇腹を痛め無念の出場辞退となった。「これでケガしたらもうサヨナラ」という覚悟で臨んだ地道なリハビリ。その傍らでは常に仲間を気にかけ、不振にあえいだ村上には自身のSNSを通じて励ました。3大会ぶりの優勝を決めた大会後にはダルビッシュと祝勝会を開催。偉大な先輩と喜びを分かち合った。

 広島時代の先輩である黒田氏からの激励にも応えた。この日、同氏はドジャースの球団上層部から知見を得るため、スタジアムを訪問。右のスラッガーとしての資質を改めて認め、「走攻守もそろっている。今までにない日本人プレーヤー(の立場)を確立してほしい」と期待した。

 誠也の一発もあり、チームは7勝5敗の好スタート。「僕が入って雰囲気が悪くなるのは嫌だった」と安堵(あんど)した。ただ、まだまだ満足などできない。本当の逆襲はここから始まる。(笹田幸嗣通信員)

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