侍1号は牧　「デスターシャ」で盛り上げた　本番前に散髪で気合満点

WBC1次ラウンドB組   日本8－1中国 （ 2023年3月9日    東京D ）

＜日本・中国＞7回、ソロを放ちデスターシャを決める牧（右）（撮影・光山　貴大）
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　東京ドームに「デスターシャ侍」が降臨した。2点リードの7回。先頭の7番・牧のバットがスタンドに歓喜を運んできた。開幕戦で今大会の侍ジャパン1号アーチ。一塁ベンチでは大谷がベンチ前のフェンスに足を掛けてガッツポーズだ。

　「なかなか点が入らない中で追加点が取れて良かった。気持ちで打ちました」。7回の守りで1死一、二塁のピンチを戸郷が切り抜けた直後。外角高めの133キロ直球を逆方向の右翼スタンドに叩き込んだ。ベンチに戻ると、テレビカメラに向かってDeNAでもおなじみの「デスターシャ」のポーズ。ヌートバーの「ペッパーミル」、山川の「どすこい」に続くパフォーマンスで盛り上げた。

　世界の舞台。牧は二塁手として先発・大谷の後ろを守った。4回無失点の快投に「守備に就きながら圧倒されていた。感動しながら守っていた」。練習では大谷の圧巻のフリー打撃を実際に目にし、二刀流として投手、野手の調整をする姿にも刺激を受けた。「日本にいてもなかなか見られない。最初は圧倒されすぎて、チームメートだけどファン目線で見ていた。（大谷の）人間性という部分でも勉強になる」。世界の二刀流と同じユニホームを着て、一緒に白球を追う――。牧は野球選手として最高の経験をしながら、世界一の座を目指している。

　「多くのファンの皆さんに囲まれて試合ができてうれしかった」。本番を前に前日の8日に散髪へ。もみあげと後頭部を思い切り刈り上げた気合満点の髪形で登場し、試合前にはナインに「なでなで」されるシーンもあった。ムードメーカーともいえる存在。侍ジャパンにこの男は絶対に欠かせない。