ミキハウス・井上大輔 9年目のベテラン捕手が誓うチーム史上初の同一年2大大会出場

[ 2023年3月10日 17:12 ]

ミキハウス・井上捕手(提供写真)
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 ミキハウスの井上大輔捕手(30)が10日、チーム史上初の同一年2大大会出場を誓った。

 「都市対抗の3年連続出場と日本選手権。2大大会に出場してENEOSはじめとする関東勢を倒すことが目標です」

 今季が9年目。昨年、一昨年の都市対抗2年連続出場の裏には、経験豊富な井上の好リードがあった。大会初勝利を挙げた昨年の1回戦・東邦ガス戦では2安打を放ち、バットでも貢献。攻守に欠かせない存在であるが、当の本人は足下を見つめることを忘れない。

 「レギュラーと思っていない。ちょっと早く入ったから試合に出られているだけです」

 7日から伊賀市内の自社グラウンドでスタートした強化練習。午前7時半にはグラウンドに姿を見せている。自らの練習だけでなく、2人の後輩捕手にも助言。若手と同じメニューをこなし、午後7時を過ぎても夜間練習を黙々とこなす。

 「バッテリーの目標は防御率0点台。それぐらいの気持ちでやらないといけない。1―0、2―1で勝つのが僕の理想。栗山さん、高橋さんの2枚看板で勝ってきたけど、若いやつをしっかり引っ張っていかなければいけない」

 ブルペンで若手投手陣の投球を受け終わると、捕手としての目線だけではなく、打者目線からもアドバイスを送る。ただ、自身の経験則を押しつけることを由としない。根底にあるのは「たとえ失敗しても若いうちから、自分で考えてプレーすることが大切」という思い。入社6年目までは思うように勝てない時期が続いたが、悔しい敗戦から目を背けることなく、野球と向き合ってきたからこそ今がある。

 「毎年出られるチームをつくるためには今までの練習ではだめ。自分も含めて個々がもっと力をつけないと常勝チームになれない。1人1人に波がある。調子が悪くても元気は出せると思うので」

 常に同じ気持ちで練習を続けることが、大事な一戦で平常心を維持することに繋がっていくのだろう。大きな声で牽引する井上の姿が、ミキハウスの手強さを予感させた。

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2023年3月10日のニュース