阪神 次期監督内定の岡田氏「何も言えることはない」もOBとして「CSには行ってほしい」

[ 2022年9月28日 05:15 ]

岡田彰布氏(19年9月撮影)
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 阪神の次期監督にOBで前回2005年のリーグ優勝に導いた元監督の岡田彰布氏(64=野球評論家)が就任することが27日、分かった。既に球団から就任要請を受けて快諾。10月2日のヤクルト戦でのレギュラーシーズン終了後に発表される見通しだ。04~08年まで5年間にわたって猛虎を率い、来季が15年ぶりの復帰。自ら導いた前回以来、18年ぶりのV奪回を託される。 

 悲願のV奪回は「優勝監督」に託された。05年に強烈なリーダーシップとらつ腕ぶりを見せつけ、猛虎をVに導いた岡田氏。チームを再び頂点に立たせるべく、15年ぶりの古巣復帰が内定した。

 27日に大阪市福島区の阪神電鉄本社で取材対応した百北幸司球団社長(61)は新監督について「今シーズンが終わるまでは申し上げることはない」と強調。一方でレギュラーシーズン終了後の発表のメドについては「はい、そこは立っています」と明言した。

 岡田氏は現役時代は主力として85年の日本一に貢献。引退後はコーチ、2軍監督を歴任し、04年に1軍監督に就任した。ジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之の鉄壁の「JFKトリオ」を確立させ、05年のリーグ優勝を筆頭に就任5年間で4度のAクラス入り。中日・落合監督、巨人・原監督という名将と互角に渡り合い、3人が同時に指揮を執った06年から08年の3年間の通算勝率は岡田監督の・567が最高だった。

 都内で本紙の取材に応じた岡田氏は「まだこの時期では何も言えることはない」と言及を避けた。評論家として阪神の試合には足しげく球場に通っており、現在のチーム状況にも精通。独特の野球理論と切り口でテレビ解説も人気を博している。チームがクライマックスシリーズ(CS)進出争いの大詰めとあり、OBとして「可能性があるんだから、何とかCSには行ってほしいと思って見ている」と話した。

 今季は矢野監督が春季キャンプイン前日の1月31日に今季限りの退任を電撃表明。異例の形でスタートした中、開幕9連敗と出遅れた。投手力を武器に前半戦「5割ターン」するなど盛り返したものの、今月17日にリーグ優勝の可能性が完全消滅。球団内では平田2軍監督の内部昇格を推す声も強かったが、17年間優勝から遠ざかっている中で、岡田氏の「優勝経験」が大きな決め手となり、藤原崇起オーナー(70)が断を下した。

 就任要請を受諾したことで、球団は急ピッチで組閣に着手。時に強引なまでの采配を振るい、貪欲に勝利を求める岡田野球をよく知るコーチ陣で新体制を固め、18年ぶりのV奪回を目指す。

 ◇岡田 彰布(おかだ・あきのぶ)1957年(昭32)11月25日生まれ、大阪府出身の64歳。北陽(現関大北陽)から早大を経て79年ドラフト1位で阪神入団。80年に新人王。85年には球団初の日本一に貢献した。94年オリックスに移籍し、95年に現役引退。通算成績は1639試合で247本塁打、836打点の打率.277。以降オリックス、阪神のコーチを経て、04年阪神監督就任。05年にリーグ優勝を果たした。08年に辞任。10~12年はオリックス監督。右投げ、右打ち。

 ○…岡田氏は前回阪神監督の04~08年の後、10~12年の3年間はオリックスで監督。過去阪神で監督を務めた25人のうち、2度以上の就任は97、98年の吉田監督(3度目)まで8人いて、NPB他球団の監督を経ての復帰は今回の岡田氏が初めて。

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2022年9月28日のニュース