ヤクルト・嶋 今季限りで現役引退 コーチ補佐兼任で今季出場は1試合 指導者としての活躍に期待

[ 2022年9月28日 02:00 ]

ヤクルトの嶋
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 ヤクルト・嶋基宏捕手(37)が今季限りで現役を引退することが27日、分かった。コーチ補佐と兼任の今季は1軍出場は1試合のみ。楽天時代の13年からプロ野球選手会の会長も長く務めた男が16年間のプロ生活に別れを告げる。

 嶋は古巣・楽天から19年オフに減額制限を超える条件提示を受け、自由契約となり20年からヤクルトでプレー。昨季は17試合の出場だったが、精神的支柱としてチームを支える献身的な姿勢は高く評価された。今季はコーチ補佐と兼任となり、ほぼ1軍に同行。「大変だと思うがチャレンジしたかった。選手としてもコーチとしても、100%の力でぶつかっていきたい」と常に声を張り上げチームを鼓舞した。若手には的確な指示を送ると同時に精神面のケアも努めた。高津監督も昨季の日本一、そしてリーグ連覇の立役者として嶋の名を挙げていた。

 楽天では新人だった07年から正捕手として活躍した。同期入団だった田中将とのバッテリーで、13年には球団創設初のリーグ優勝と日本一に貢献した。故・野村克也監督に薫陶を受けた頭脳的なリードだけでなく、人間性も含めて周囲から高く評価されてきた。選手会長を務めていた11年には東日本大震災が発生。4月2日の復興支援試合前の「見せましょう、野球の底力を」というスピーチは多くのファンの心に染みわたり、東北復興のエネルギーとなった。ファンからも広く愛された名捕手が、静かにミットを置く。既に兼任コーチの道を歩んでおり、今後は指導者としての活躍が期待される。

 ◇嶋 基宏(しま・もとひろ)1984年(昭59)12月13日生まれ、岐阜県出身の37歳。中京大中京から国学院大を経て、06年大学・社会人ドラフト3巡目で楽天に入団。1年目から125試合に出場し、不動の正捕手に。13~17年にはパ・リーグ球団から初の労組選手会長を務めた。19年オフにヤクルト移籍。今季からコーチ補佐を兼任していた。プロ通算1440試合出場で打率・240、26本塁打、315打点。1メートル79、84キロ。右投げ右打ち。

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