楽天・則本10勝 CS進出へ気迫の1失点今季初完投 激励メッセージに奮起「頑張らなあかん」

[ 2022年9月28日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天6―1オリックス ( 2022年9月27日    京セラD )

<オ・楽> 6回2死、則本はオリックス・中川圭を空振り三振に抑え雄叫びを上げる(撮影・後藤 大輝) 
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 両腕を高々と突き上げた。今季初の完投で、2年連続2桁となる10勝目。楽天・則本の会心の笑みが、喜びと達成感を物語っていた。

 石井監督が「1球目から最後の106球目まで質の高い球を投げた」と称えたように球威は衰えなかった。初回に太田から奪った三振と、9回の最後の打者・吉田正を中飛に打ち取った直球は、ともにこの日の最速の156キロ。23日から8連戦中で「途中から中継ぎを休ませてあげたいという気持ちが出てきた」と9回まで投げ、ソフトバンクと優勝を争うオリックス打線を3安打1失点に封じた。

 前夜の敗戦でリーグ優勝の可能性が消滅した。シーズン3位以下も確定し、残る希望はCS進出のみ。則本も「必ずCSに進出して下克上を狙う」と気持ちを切り替えている。

 9月10日、チームが遠征先の福岡から戻ると、楽天生命パークの関係者通路にはたくさんの写真が貼り出されていた。そこには球団運営に携わる全部署のスタッフによる、ナインへの激励メッセージが添えられていた。

 「この人たちのためにも、頑張らなあかん。もう一段階、モチベーションが上がった」

 夏場に自身5連敗を喫するなど不振に苦しんだ時期もあったが、12日のオリックス戦から3連勝で復調。チームは28日に球団職員、スタッフ、そしてCS進出を願うファンが待つ仙台に戻り、0・5ゲーム差で追う3位・西武との直接対決に臨む。絶対に負けられない大一番を前に、エースが魂の投球でチームに大きなパワーを注入した。(重光 晋太郎)

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2022年9月28日のニュース