広島・菊池涼 7回執念同点打も惜敗 残り34戦、混セ勝ち上がりへ「できることをしっかりやる」

[ 2022年8月15日 04:45 ]

セ・リーグ   広島2―3巨人 ( 2022年8月14日    東京D )

<巨・広>7回、適時二塁打を放つ菊池涼 (撮影・白鳥 佳樹)
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 広島・菊池涼介内野手(32)が勝負強さを発揮した。14日の巨人戦(東京ドーム)で起死回生の同点二塁打。2点を追う終盤7回に左翼線へはじき返した。だが、8回に救援した4番手・ターリーが勝ち越し点を献上し、試合は2―3で惜敗。今季残りは34試合となり、百戦錬磨の名手はセ界の混戦を勝ち上がるポイントに「凡事徹底」を挙げた。

 2点劣勢の7回2死二、三塁の好機。打席の菊池涼は、自身の感覚が徐々に研ぎ澄まされていくのを感じていた。2ストライクからファウルで粘り、ボール球を見極めてフルカウントまで持ち込んだ8球目。真ん中高め直球を振り抜くと、打球は左翼線で弾んだ。

 「それまでいろいろ考えすぎていたけど、あの打席は(カウント)3―2に持っていった段階で、いい感じがあった。打ちにいきながら見逃せている。そういう、いい感覚の中にいた」

 敵のマウンドには登板2試合目で、7月に支配下登録されたばかりの左腕・井上。6回から登板し、マクブルーム、西川、坂倉を球数11球で料理し、イニングをまたいでいた。起死回生の2点同点二塁打。簡単にはやられない。今後に向けても意義深い一打だった。

 「なかなか流れが来ない中で、よく追い付いた」と佐々岡監督。ただ、残りはもう34試合だ。見せた意地は勝利につなげたい。独走ヤクルトを追うセ界の2~3位争いは混戦模様。菊池涼は、1勝2敗に終わった巨人戦を振り返りながら、終盤の戦い方に言及する。

 「連勝していた中で(2戦目の)初回のワンプレーで流れが変わり、空気が重くなった部分もあった。そこから連敗。流れというのは、やっぱりある」

 首位・ヤクルトに3連勝し、巨人とのカード初戦も終盤に逆転して4連勝。傾いていた流れは、しかし、2戦目の初回に変わった。先頭・吉川の遊ゴロを小園が悪送球。取れるアウトを取り損ね、以降、よどんだ空気は晴れなかった。「だから」と名手は強調する。

 「できることをしっかりやる。気を抜いているわけじゃないと思うし、終わったことは仕方ないけど、後半戦に入ってコーチが“やるべきことはしっかりやっていこう”と声掛けしている通り。みんなで、もう一回」

 リーグ3連覇に貢献し、チームをけん引する立場でもある32歳の発言は重い。チームの底力が問われる終盤の混戦、大事なのは凡事徹底――。再確認し、一丸で勝ち抜きたい。(江尾 卓也)

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